「ソウ/SAW」(2004)感想文・もし今公開されていたら普通の映画だったのかもしれないですね

20年ちかく前の作品で今さら感がすごいです。ネタバレも考察もされつくしていますし、続編で謎が解けている部分もあるそうなので、あまり気にせず書きます。

とてもよくできていると思いましたが、正直なところ、ものすごく目新しくて斬新かといえばそれほどでもない気がしました。

それは、この映画以降に、影響を受けて似たような作品が数多く作られたからでしょう。ソウ自体も9作品作られていますね。

リアルタイムで見ておけば相当楽しめただろうなとちょっぴり残念です。

トラウマ級の怖いやつ

私が今までで一番怖かった映画は、子どもの頃に見た「サスペリアpart2」です。なかでも機械仕掛けの人形がいきなり入ってくるシーンが発狂するほど怖かった記憶があります。

なんとそのリスペクトというかオマージュで、不気味人形が入ってくるシーンがあり、これには予想外にドキドキしました。

人形の顔については、サスペリア2ほど怖くありませんでしたが(あれは中国の被り物のお面みたいな感じでした)、懐かしくなってYouTubeを見に行ってしまいました。

ターゲットは「命を大切にしない者」

これが一本筋の通っているところで、ジグソーは無差別に人を巻き込んだわけではないのです。

これだけ手の込んだしかけを作るエネルギーから、ジグソー自身が強烈な生への執着を持っていることが感じ取れます。

真犯人のジョンが末期がんで、余命いくばくもないために、そのような思考へ傾いたのでしょうが、人のことは放っておけば?と言いたい気持ちも。他にやっておくことあるでしょうに…。

アダムの生きる条件とは

どの被害者も生きる残るための道が残されていましたが、アダムだけはそういうのがないような?と不思議でした。

ところが最後になって、バスタブの中に鍵があったと明かされます。それは冒頭で、栓を抜いた時に流されてしまっており、つまり、最初からアダムは「助かる道がなかった」ということになります。

ゴードンに殺されなかったから、生き残れるというわけではないのです。

ラストでアダムの絶望の慟哭がこだましますが、これこそ残酷極まりない結末だと思うわけです。

おわりに

年月がこれほど経っても、いまだに話題になるSAWなので、一応見てクリアできたという意味では良かったです。

今後も年代関係なく、過去作品を鑑賞していこうと思う一方で、公開されたその時その時代に鑑賞することも大切だなぁとしみじみ感じました。