いまさら感がすごいですが、観たのか観ていないのか分からなくなっていたので自宅鑑賞。観たとしても覚えていないのはアルコールが入っていたり、感想を記録していなかったせいです。2年半前に断酒し、今回記録を残すのでもう大丈夫かな。
主人公のアンディをイエス・キリストになぞらえる見方もあるようですが、私は普通の人間として彼を見ていきたいと思います。
アンディは元々の資質として学ぶことの大切さや文化に触れることが人生を豊かにすると知っていたようです。彼の自信の源は努力で得た知識や知恵、自尊心の高さだったのではないでしょうか。
その知恵を惜しみなく人に与え他者貢献する姿や、頑固なまでに自らの信念を貫いて行動したことが、刑務官までも巻き込んで信頼を得た理由でしょう。
ここで囚人となった者たちは自信や尊厳などと縁のない生活をしています。学もなく煙草一本を賭けるようなすさんだ刑務所生活の中で、見返りを求めず他者貢献するアンディの姿が魅力的に映ったのも当然です。
アンディが理不尽で過酷な状況の中、最後まで希望を捨てずにいられたのは、自信だったのかなと感じました。
投獄された当初、アンディはひどく物静かでした。これが元々の彼の性質だったのかもしれません。しかし終盤では「妻に対して心を閉じていた」とレッドに打ち明けるまでになり、脱獄後に再会できるようヒントを与えます。
これはとても危険なことであり、レッドの振る舞い次第ではアンディの命に関わります。そんなことを話せる友情が育まれていたことはアンディにとって得難いものだったでしょう。
皆に貢献し感謝され、心の交流や友情が生まれたことでアンディの心にも変化が生じ、自己開示に至った。与えるばかりではなく、彼自身も刑務所の中で大きく変わったのです。
さらに胸を打つのは、何があろうと希望を決して捨てずに行きていくという、この映画の大きなテーマです。
レッドが刑期を終えて外の世界に馴染めず生きる希望を失いかけた時、心の中のアンディの存在が彼を強く励まし、救いました。アンディという友達を得たことが、レッドの大きな財産であったことが分かります。二人の心の中に共鳴し合う「希望を捨てない気持ち」があったからこそですね。
感動的なラストシーンは二人の未来が明るいものであることを示唆しています。努力や苦労は報われるべきですが、そうでないこともあります。時に理不尽な目に遭い、思いもよらない災難にも遭います。そんな時にどうあるべきかという問いかけに感じました。
自分の持っている良さを知り、能力を使って人の役に立つ行動をとる。感謝と貢献の連鎖が起こり、自分も周りの人も幸せになれる。そんな世界は映画の中だけではなく実現できるのではないかなと思いました。
またしばらく経ったら見直してみたい、素晴らしい映画でした。