『ディア エヴァン ハンセン』観てきました

主人公の嘘は優しさから出たものだったのかな?
親目線でそんなことを考えました。
自ら命を絶った同級生コナーと生前(友好的とは言えない)関わりを持ってしまったために、彼の家族に対して親友であったと嘘をつくことになったエヴァン。彼もまた自身の心の疾患のために薬を頼り、父親がいないこと、多忙な母親との信頼関係のズレにより、自信を大きく失っていました。
私がいつも最後に挙げている森田先生の不登校の本に書いてあることですが、子どもは心のコップに入った自信の水を使いながら毎日生活しています。自信の水がなくなると不登校をはじめ腹痛など様々な身体症状が現れます。間違っていると分かっていても正せない、嘘をついてしまうのも、自信の水不足の症状ではないでしょうか。
孤独、孤独と言うけれど、親は何をしているの? こんなに苦しんでいる子どもたちを救ってやれるのは、やはりそれぞれの親しかないんじゃないの?と素朴に感じました。実際にエヴァンが救われたのは、母親による我が子への気づきがあり、愛情と承認をしっかりとかけてやることができたからです。この時を境にエヴァンは大きく変化したのです。
みんな孤独なのだからと納得させるよりも、一人でなんでも乗り越えられるだけのたくましさと力を親がつけてやれたら、と思うのです。
今回エヴァンと同年代の娘と見に行きましたが、コナーがどうして亡くなったのか語られなかったことに物足りなさを感じ、エヴァンがこのような嘘をついたことが発端となっている以上、共感が難しいということでした。
死を選んだコナーはやり直すことも、間違いを訂正することも、もはやできないという残酷な現実があります。どう語られようと真実はわからない、だから語られなかったのではないかなぁという話をしました。
嘘については、私は先に書いたような自分なりの解釈がありますが、亡くなった人に関するこんな嘘は酷すぎるだろうという娘の言い分もわかります。そして真実を話すチャンスが何度かありながら生かせなかったことは、そういうお話だとしても残念だったと私も思うのです。
非常に考えさせられる映画です。身近な方と一緒に観て話し合うと、お互いに自己成長間違いなしです。本人の評価はいまひとつ?でしたが、娘と感想を話し合うことでものの見方がよくわかり、誘って良かったと思いました。

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