『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』観てきました

これはなかなか良い悪いと決め難い作品でした。面白いのだけど同時に不快でもあるのです。テンポもよく118分があっという間で、珍しく一度も時計を見ませんでしたが、感想としては複雑です。人によりフォーカスする部分が変わると、印象は違ったものになると思います。
 
良かったのはサンディ役のアニャ・テイラー=ジョイ。60年代ファッションが本当によく似合っていて可愛い! 本音を言えばもっと彼女の歌手を夢見て生き生きとしている姿を見たかったくらいです。鑑賞後も頭に浮かぶのはホラー場面ではなくて魅力的なダンスシーン、歌唱シーンです。
 
エロイーズもデザイナーを夢見てロンドンにやって来るわけですが、若い人が夢に向かって一生懸命頑張っているところって理屈じゃなく良いものです。その彼女たちの夢はそれぞれどうなっていくのでしょうか…。
 
観る方によっては耐え難いものかもしれないので、これからの方はよくお考えの上、鑑賞していただきたいなと思います。
 
60年代、ホラー、タイムリープ、そして…なかなか不思議な映画です
 
あらすじ以下、注意喚起のためちょいネタバレ
ファッションデザイナーを夢見るエロイーズは、ロンドンのソーホーにあるデザイン専門学校に入学する。しかし同級生たちとの寮生活に馴染めず、街の片隅で一人暮らしを始めることに。新居のアパートで眠りにつくと、夢の中で60年代のソーホーにいた。そこで歌手を夢見る魅惑的なサンディに出会うと、身体も感覚も彼女とシンクロしていく。夢の中の体験が現実にも影響を与え、充実した毎日を送れるようになったエロイーズは、タイムリープを繰り返すようになる。だがある日、夢の中でサンディが殺されるところを目撃してしまう。(tohoシネマズあらすじより)
 
ここに書かれていないために、何気なく観に行って嫌な思いをする方がいないように注意する点とは。
 
これはホラーの観点で要注意なのではなく、自信と夢に満ちたサンディに襲いかかる性的搾取、その闇こそが醜悪であり、目を背けたくなるところなのです。それが全編にわたってストーリーに影響しているので、外せないシーンであり、男性から性の対象としか見られない世界に身を置くサンディは歌手の夢にも遠く及ばず、心を病んでいくわけです。夢を持つ若い女性にとってこれほど苦しいことがあるでしょうか。
 
見終わって数時間経ちますが、私としてはどうしても「良かった」と言い切れないものが残りました。
 
私がまだ若い女性だった頃(当然あったんですよね笑い)若い女性ということで少し危険な目にあったり嫌な思いをしたり、何度かしました。本当に不快で煩わしく、早くそこら辺のおばさんになりたいと思っていたっけ…とふと思い出しました。人生ってその時々でそれなりに大変なのですよね。
 
 
 
 
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