どっぷり邦画だと思っていたので、柴咲コウさんがほぼ全編フランス語で、外国映画みたいだったのには驚きました。
そしてクライム・サスペンスなのも意外でした。復讐心がすごくて、こういうの嫌いじゃないわ…と思いながら鑑賞。

目次
8歳の愛娘を何者かに惨殺された父親アルベール・バシュレは、偶然知り合った精神科医・新島小夜子の助けを借りながら、犯人を突き止めて復讐を果たすべく殺意を燃やしていた。やがて2人はとある財団の関係者たちを拉致し、次第に真相が明らかになっていくが……。
2024年製作/113分/G/フランス・日本・ベルギー・ルクセンブルグ合作
『映画.com』より引用
原題:Le chemin du serpent
配給:KADOKAWA
劇場公開日:2024年6月14日
「西島秀俊とルンバは何のために出たのか?」という謎をお持ちの方が多いようです。
私も一度しか見ていないのではっきりとは言えませんが、一応の考えを述べようかと思います。
小夜子の診察を受けに来ていたうつ病の吉村(西島秀俊)に、彼女は「本当に苦しいのは終わらないこと」と語ります。
今作のキーワードともいえる言葉で、そこに表情のなかった彼女の感情の吐露が見受けられます。
苦しみを復讐という形で終わらせようと行動している小夜子。
自分に言い聞かせる言葉だったのですが、吉村を絶望へと追い詰める、魔のインプットでもあったのです。
死をもって吉村を楽にしてやろうという、彼女なりの正義の言葉だったのかもしれません。
そう考えると投薬も正しかったのか疑問です。
診察室で飲ませていた薬も怪しい…疑い深い私にとっては全てが怪しい!
また「精神安定剤、出しておきますね」「もう少し強い薬に変えましょう」って…薬の説明が雑過ぎて驚きました。
西島秀俊ということで重要人物かと思わせておいて、まさかの贅沢使いでしたが、それに関しては、小夜子の夫役の青木崇高とチェンジしても良かったような気がしないでもありません。
ルンバは何だったのか? は、暗い部屋で考え込む小夜子を描く時、そのままだと静止画のように見えるから、時の流れを表現するために走らせただけのように思えました。
またはゴミ(組織の人間たち)を自動(バシュレ)で掃除させるという意味があるのかもしれません。考えすぎでしょうか。
黒沢清監督はリアリティについて「わりとどうでもいい」と語っておられ、ご自身の信じたリアリティを追求し、個性につなげているということです。
なるほど、そこここに感じる違和感…〇〇が〇〇でおかしくない!? いやでもそれが黒沢清監督だから…という感覚はあります。
私自身の求めるリアリティとそぐわない、ひっかかりの部分は監督の個性として味わう、ということですね。
自分から寝袋に入る被害者おかしくない?
手を縛りもせずに寝袋に入れたら逃げられるのでは?
吉村の遺体についてきたフランス人のおばさんは誰?
ジムで大騒ぎしたら気づかれると思う…
自分の娘を人身売買に差し出す!?
そのあたり、あまり気にしていないんだ!とびっくりしました。
それはそれで凄いと思いますが、私にとってはクセの強すぎる映画および監督でした。
リメイク元の『蛇の道』の方が評判が良いので、そちらも配信で見てみたいと思います。