不思議なテイストの映画でした。
皆さんがおっしゃるように小松奈菜が綺麗だったのと、佐渡島の風景が素晴らしかったので、その推進力で最後まで観た感じです。
目次
佐渡島の金山跡地で目を覚ました女。過去の記憶がない彼女は清掃員の女キイに助けられ、キイがアカとクロという女の子と暮らす家に運ばれる。自分の名前すら思い出せない女はミドリと名付けられ、キイと一緒に清掃員として働き始める。そこで警備員の男アオと出会ったミドリは、彼もまた過去の記憶がないことを知り、次第にひかれ合っていくが……。2023年製作/101分/G/日本
『映画.com』より引用
配給:テツヤトミナフィルム
劇場公開日:2024年5月31日
句点を打つことで、人生が終わっていることを表しているのかなと勝手に解釈しました。
この二人(一人?)は心中して亡くなり、四十九日までの仮の場所としてこの不思議な世界に滞在しますが、生きていた頃の記憶はなくなっています。
生前、二人が心中するほどまで何に追い詰められたのか、また、途中で出てきた石橋静河演じるムラサキは二人とどういう関係だったのかが(まったくもって下世話なのですが)気になります。
昔は家柄などあって結ばれない男女が多かったため、心中という事例もあったと思いますが、現代ではちょっと古い感じがします。
ミドリとアオは何があって心中したのでしょうか。
(関係ありませんが、飛び降りた高さが低いように見えたのと、お寺で心中などけしからん!とは思いました)
私が推測するに、アオという男は希死念慮の強い男性で、ムラサキと心中しようとして自分だけ死にきれずに生き残り、次にミドリを誘って飛び降りたのではないか、ということです。
わかりやすく言えば太宰治みたいな男性だったのでは。
松田龍平ですから女性を魅了できるでしょうし、退廃的なムードで道連れにミドリを引っ張ってしまったという説です。
ミドリたちの世界はどうも自死を選んだ者が集まっているように見えました。またムラサキは先に来て先に四十九日を迎えたような印象です。
ムラサキはもう来ないとアオが断言していたので、そうかなと思いました。
そして最後、ミドリは飛び降りた後で目を開けていたので、全ては夢だったのかもしれません。
今度はアオだけ亡くなって、ミドリが生き残るという…。
夢オチって本当ガッカリですし、大嫌いなのですが、それ以外に思いつきませんでした。
こう考えてなんとなく腑に落ちたのですが、いかがでしょうか。
個性的で達者な役者さんが揃っている中で、透役の片岡千之助さんがひときわ輝いて見えました。
とても美しくて色っぽく、性自認について苦悩する少年を好演していました。
歌舞伎は今のところあまりご縁がないので、現代劇でもっと拝見したいなぁと希望します。
あと、気になったのは棒立ちディスコの謎シーン。
あれは何のためのシーンだったのでしょうか…2階で二人きりになるための都合の良い場所?
ここだけは今も解釈不能です。
いずれにせよ、ミドリとアオが生まれ変わって一緒になることはないでしょう。
生まれ変わって一緒になるという考え方も妙に古臭いですよね、現代の話ではないのかな?
まぁいいか…この辺で妄想はやめておきましょう(笑)