想像以上のアクション映画で、映画館で見る醍醐味というものを感じました。
引っかかるところはありましたが、娯楽作品として良かったと思います。
なんかダサいけど、わざとでしょうね…
目次
大怪我を負い一線から退いていたスタントマンのコルトは、復帰作となるハリウッド映画の撮影現場で、監督を務める元恋人ジョディと再会する。そんな中、長年にわたりコルトがスタントダブルを請け負ってきた因縁の主演俳優トム・ライダーが失踪。ジョディとの復縁と一流スタントマンとしてのキャリア復活を狙うコルトはトムの行方を追うが、思わぬ事件に巻き込まれてしまう。
2024年製作/127分/G/アメリカ
原題または英題:The Fall Guy
配給:東宝東和
劇場公開日:2024年8月16日
感想を書くにも、何も考えずに楽しめばいいだけの作品なので、あまり言うことがありません。
ただ映画内リアルがどこまでか、つかみきれなくて戸惑いました。
スタントマンというのは裏方であり、映画製作においては現実的な存在です。
一方で派手なアクション、カーチェイスなど到底現実では起こり得ないシーンがふんだんにあります。
そのまま映画内リアルとして見るのか、アクションもゴズリングの代役スタントありきの入れ子構造として見るのか、どうすればいいのだろうという迷いが生じました。
そのため、世界観に入りきれず、中途半端さが自分の中に残ったのです。
エンディングで撮影シーンオフショットがあり、映画製作やスタントへのリスペクトを感じる一方で、現実はあまり見たくないなという気持ちも半分あり、ちょっと複雑でした。
ライアン・ゴズリングは言うまでもなくチャーミング、エミリー・グラントは嫌味のない賢さと可愛らしさで、この二人、始めから相思相愛です。
(どうして一度別れたのでしょうか…)
(それにこの美男美女がヨリを戻すまで、結構いい歳なのにお互いにフリーだったのがまず考えられない…)
いろいろ考えてしまいますが、恋愛すらファンタジーの世界なのかな? と思いました。
スタントマンであるライアン・ゴズリングがカッコよくて主役のスターにしか見えず、隠そうとしても立ち居振る舞いがスター。皮肉にも光輝いてしまっていました。
終盤の悪党どもを懲らしめる場面など、見ごたえと爽快感があって良かったですね。
物語としては決してよく出来ているとは思わないのですが、アクションだけでも充分楽しめる作品です。
何がイマイチで興行収入が振るわないのか謎です。ライアン・ゴズリングでは集客できないのでしょうか。
みんな大好きラ・ラ・ランドの人なのに。
この映画が当たらないということは、ハリウッド映画って日本では終焉を迎えたのかな…と私は本気で思い始めました。
まぁ確かに深みもないし余白もないし、見たまま見た通りの映画ですが、娯楽作品とはこういうもの。
夏休みなので、もう少しヒットしてもいいのになと思いました。
とにかく、あまりあれこれ考えなければすごく面白いです。
『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』も私はあまり…だったし、残念ながらこういうのは自分に合わないのかもしれない、という気付きがあった映画でした。『箱男』の後に見たのが失敗だったかな(笑)
こういうのは「こういうのが見たい時に見る」のがいいのでしょうね。時と場合、大切です。