TOUR『懐かしい月は新しい月”蜃気楼”』2024.01.14・LIVE感想文

サカナクション山口一郎さんによるソロツアーの最終公演。東京ガーデンシアターで観てきました。

注釈席しか取れなかったものの、ステージから近い端の方で、客席もステージも、横から見られる感じです。

いつもは「元気をもらえた!」「明日への活力!」というサカナクションLIVEですが、今回は山口一郎さんの心の不調を経ての単独公演であり、静かに深く鑑賞しました。

まだ本調子ではない中での、魂の歌声とメッセージに、何度も目頭を押さえることになりました。泣いている方が多かったです。

本当に、目の前に現れて歌い始めるまでどうなるかわからない、中止になる可能性もある、とずっと思っていました。

おそらく会場の皆さんがそう感じていらしたのでしょう。開始までかなり固い雰囲気に思えました。

緊張感で一曲目の「サンプル」の後に拍手が起こらなかったほど。

ちなみにリアレンジの「サンプル」はエモーショナルなピアノが印象的で、原曲より好きかもしれない一曲です。

(これまで何度も聞いて耳に馴染んだ原曲を上回ることはなかなかないものですが、「月の現〜Rearrange works〜」は新鮮な楽しみにあふれていて、とてもいいアルバムです。)

サカナクションとわたし

初めて意識してサカナクションを聴いた日をよく覚えています。

フジテレビの「ライナーノーツ」2014年12月26日(金)深夜25:30〜26:30という番組でした。

10人の著名人がサカナクションについて語る内容でした。


・江口洋介(俳優)
・妻夫木聡(俳優)
・大泉洋(俳優)
・水川あさみ(俳優)

・神田沙也加(歌手・俳優)
・中田敦彦(オリエンタルラジオ・芸人)
・久保ミツロウ(漫画家)
・澤本嘉光(クリエイティブディレクター・脚本家)
・谷尻誠(建築家)
・古河晋(編集者)

・山口一郎(サカナクション)

このようにそうそうたる顔ぶれです。私は途中から見たので、アンダーラインの方のみ、見始めたのは26時を過ぎていたと思います。

神田沙也加さんも出ておられたのですね。

その頃私は「更年期によるうつ病」で服薬していて、夜もよく眠れず、このような深夜にテレビをつけたのです。本当に偶然でした。

そこで山口さんを拝見して、正直もっと気難しい感じの方というイメージがあったため、少し意外に感じました。

いわゆる「いい違和感」。その場で当時最新盤だった「サカナクション」をオンラインで買ってダウンロードしました。

聴いてみると、愛だ恋だというのとは違って、とても内省的で深みのある歌詞であり、音楽的にも非常に練られたものだと分かりました。

当時、心の不調にあったため、サカナクションの曲が大変心情にマッチしたのです。

そこからアルバムをさかのぼり、ライブに行き、気がついたら10年目になっていました。

他にも音楽は聴きますが、最も好きなのはいつもサカナクションでした。

苦しい時に助けてもらった恩も、勝手にですが感じています。

今回山口さんのご病気が他人事ではなく、本当に心配だったのですが、ステージに立てるまでになられて本当に安心しました。

公演内容・セットリスト

  • サンプル
  • ボイル
  • 茶柱
  • 映画
  • アドベンチャー
  • 忘れられないの
  • フレンドリー
  • 夜の東側
  • 新宝島
  • years
  • ナイロンの糸
  • 目が明く藍色
  • (休憩15分)
  • フクロウ
  • ネプトゥーヌス
  • セプテンバー
  • ドキュメント
  • アイデンティティ
  • シャンディガフ
  • 白波トップウォーター
  • 新宝島

前半はモニターに「仮面一郎」のビデオがたびたび流れました。

私は仮面、ピエロ、人形の類が怖いので、非常に映像が気になりました。

同行の娘はなんとも感じなかったらしいので、本当に人それぞれですね。

特に「夜の東側」のVが不気味で、早く出なくならないかなと思っていました。

後半なくなったのでホッと一安心。

どちらかというと、後半のほうがリラックスムードで私は落ち着いて見られました。

いつものライブ配信の浦本さんがいるだけでホッとしましたし、インスタライブを生で見ているような感覚になります。

私は隠れ?浦本さんファンなので嬉しかったです。

8000人の前でもいつも通りナチュラルで、曲に合わせて揺れておられたのに癒やされました。

この日は座って鑑賞のつもりでおり、なぜか縄跳び100回からのアイデンティティ(カラオケ)で立って手を振れたことは嬉しかったです。

また、最後の曲でメンバーのみなさんが登場し「新宝島」をやってくれたのは本当に嬉しかったです。

私の席から見ると、手の振りがバッチリ合っていて、客席の一体感はすごいものがありました(ただし亜美ちゃん英美ちゃんが全く見えず)。

あの一曲だけのために楽器のセッティングやら何やら、大変だったと思うのですが、次へのステップとしてとても価値のある一曲だったと思うのです。

全体を通して、私の良かった曲は「セプテンバー」「目が明く藍色」「ドキュメント」かな…。

好きな曲「シーラカンスと僕」「アムスフィッシュ」「ナイロンの糸(原曲アレンジ)」はないだろうとは思っていたけど、やはりありませんでした。

まぁいいです…どの曲も好きなので全然大丈夫です!

客層がかなり変わった気がしました

これまでと変わったなぁと思ったのは客層です。私と同じくらいのオバサンがすごく増えていました。

コロナ直前の2020.2.6の大宮ソニックシティまではお洒落で音楽好きっぽい20〜40代くらいのモード系の方が多かったです。

2022.1.29&30武道館ではもっと一般化している印象があり、今回はさらにそれが進行していたようです。

「YouTubeとかやってたから、オバサンのファンが増えたのでは?」と、娘も私と同じことを考えていました。

終演後もお祭りみたいにキャッキャ騒いでいて、まぁ楽しそうで結構なのですが「そういうライブだったっけ?」という疑問もすこし。

まあいいや。自分も含めてオバサンの経済力を駆使し、たくさんグッズを買って貢献しましょう。

まとめ

今回は「元気をもらう」感じではなく、どちらかというと「癒やし・浄化・共感」のような気持ちになりました。

次のツアーも発表となり、まだまだご体調が心配ではありますが、焦らず準備していただきたいです。

東京近郊は私の嫌いな幕張メッセなので、残念ながら申込みはパス(T_T)

足が悪く、スタンディングだと家を出てから7〜8時間くらい立ちっぱなしになる可能性があり、無理なのです。

それにギュウギュウで少し怖い思いをしたことがあるため、避けています。

残念…都内の武道館あたりで追加公演が出ないか期待してみようと思います。

それまでファンクラブの中層キープです。