映画館で見るタイミングを逃したのと、高いところが苦手なので、配信で鑑賞しました。
意外にも終盤の展開が面白く、それまでのB級感が格上げされて、いい鑑賞後感でした。
ポスターはそんなに悪くないと思うのですが…
目次
地上600メートルの超高層鉄塔に取り残された2人の若者の運命を描いたサバイバルスリラー。
山でのフリークライミング中に夫を落下事故で亡くしたベッキーは、1年が経った現在も悲しみから立ち直れずにいた。親友ハンターはそんな彼女を元気づけようと新たなクライミング計画を立て、現在は使用されていない超高層テレビ塔に登ることに。2人は老朽化して不安定になった梯子を登り、地上600メートルの頂上へ到達することに成功。しかし梯子が突然崩れ落ち、2人は鉄塔の先端に取り残されてしまう。2022年製作/107分/G/イギリス・アメリカ合作
『映画.com』より引用
原題:Fall
配給:クロックワークス
劇場公開日:2023年2月3日
600メートルといえばスカイツリーぐらいの高さ。何もかも無茶な設定ですが、高所ありきで登らないと話が始まりません。
そのため動機や友人ハンターのキャラなど、少し強引な気もします。
B級感を感じたのはその辺りでしょうか。
ただ、ハシゴが壊れて降りられなくなってからのトライアンドエラーが結構面白く、さらにそこからもうひとひねりあるのが良かったです。
ハンターが「ベッキーの亡き夫と不倫関係だった」と打ち明けたときに「どうしてここで言う?」と不思議に思ったのですが、後から考えたら転落死を正当化しようとする設定だったのですね。
ベッキーを誘ったのもハンター、迷惑系ユーチューバーもハンター、不倫もハンター、ハシゴが取れたのもハンター。
みんなハンターのせいなので、総合的にこの人は落ちてもしょうがないよね…って本当はそんなことないのですが、人間とは恐ろしいもので、罰を与えて喜びたいところがあるんですね。
ワシまたはタカ(どちらか分かりませんが、どちらでもなさそうな顔でした)を捕まえてむさぼり食ってからのベッキーの覚醒はとても良かったです。
それまでずっとハンターに押されて言われるがままだった彼女が、自分の意志で困難を乗り越えようと立ち上がった瞬間でした。
ハンターの死体のところでワシ(またはタカ)と目が合った時に、相手が何かを察して(野生の勘)、飛び去っていく演出がとても好きでした。
やはりきちんと食べることや、父親から愛されているという実感が、こういう極限状態の時に、大きな力となるんだなぁと妙に感心した次第です。
親友と不倫していたと知ったら、ベッキーは一年も嘆き悲しむことはなかったかもしれませんね、罪な不倫カップルですね。
結果的にこれで夫の死を乗り越えられ、無事に地上に戻ることもできたのですし、良かったのかなと思いました。
欲を言えば、ベッキーが発見され、救出された経緯を、少し見たかった気もします。
普通、救出のヘリとかが飛んできて、ホッとするという演出になるのでしょうが、気がついたら地上にいたので「どうやって?」とは思いました。
その場面を加えると少し長くなるので、前半もう少し短くしても良かったかもしれません。
全てハンターのせいなのに、妙に明るくて前向きなのが「アンタのせいだろ〜」とモヤモヤするので、私なら彼女の出演シーンを気持ち減らすかな。
サイコスリラー感をもう少しだけ増やして、あと10〜15分くらい短かったらすごくいいかも!と思いました。
全く勝手な意見で申し訳ないです。でも面白かったです!