高額宝くじ19万ドル、6年かかったとはいえ、お酒で使い果たせるのでしょうか?
ふと気になって計算してみると、一日約13000円✕6年となりました。
ストロング系の家飲みでは無理ですが、外でなら可能ですね。
これは「宝くじに当選したものの、アルコール依存で全てを失った女性が、人生を見直す話」です。
断酒中の私は絶対見なきゃダメだな〜と、足をのばしてアップリンク吉祥寺にて鑑賞して参りました。
(初めて行きましたが、椅子が良くて、バラエティに富んだ作品を上映している、いい映画館です)
上映時間のほとんどが、主人公レスリー(アンドレア・ライズボロー)が酒に溺れ、周囲の信頼を失う様子、酒をやめようとして苦しむ様子に割かれています。
住むところを追い出され、息子のところへ転がり込むも、隠れて飲み、お金を抜き取り、バーで醜態をさらし、嘘をつき…見ていて本当に苦しく、身につまされました。
二十歳そこそこの息子がまた、この母親にしてはとてもいい子で、悲しみやレスリーへの腹立たしさを感じます。
私もずっと飲み続けていたら、これぐらいにはなっていたかもしれないと頭をよぎりました。
「いい母親になりたい」と子どもに愛情を持っているのも、「お酒をやめなくては」と思っているのも、嘘ではありません。
ただ、頭がアルコールに支配されているので、意志や気持ちではどうしようもないのがアルコール依存です。
誰からも見放されて、たどり着いたモーテルの住み込みの仕事。
手を差し伸べてくれた、彼らの気持ちさえも、酒によって裏切るレスリーですが、ある時、転機が訪れます。
ここがとても共感できて、涙が出たところなのですが「今、どん底にいると自分だけが感じる瞬間」というものがあるのです。
それがレスリーの場合は、バーのカウンターで、酔い潰れながら、店内にかかる曲を聞いていた時でした。
ようやく自分で心から認め、決断しなくてはいけない時が訪れたのです。
私自身も思い返してみると、何気ない飲み続ける日々の中で、確かに「その時」というのを感じた記憶があります。
それが本当の底付き体験なのしれません。
多少気持ちがわかるだけに、失敗に気づいて、人生をやり直す方々に、寛容でありたいと思いました。
現在断酒している方や、何にかに依存した経験のある方には特に、とても心に響く映画のはずです。
主演のアンドレア・ライズボローさんは、アルコール依存の女性をとてもリアルに演じていて、アカデミー主演女優賞にノミネートされました。すばらしい演技です。
全てが報われるラストシーンに、勇気と希望がもらえると思いますよ!