『エクソシスト 信じる者』映画感想文・だめでした…(T_T)

1973年の『エクソシスト』から50年を経て、正統続編として製作された作品です。

元祖ホラー映画、金字塔と呼ばれる作品の続編ということで、必然的に期待が高まってしまうのですが、はっきり言って、偉大な作品の続編は難しい! と思いました。

基本情報

監督

デビッド・ゴードン・グリーン

キャスト

レスリー・オドム・Jr.(アンジェラの父親ヴィクター)

アン・ダウド(となりの看護師アン)

ジェニファー・ネトルズ(キャサリンの母ミランダ)

ノーバート・レオ・バッツ(キャサリンの父トニー)

リディア・ジュエット(少女1・アンジェラ)

オリビア・オニール(少女2・キャサリン)

エレン・バースティン(リーガンの母、クリス・マクニール)

2023年製作/111分/PG12/アメリカ
原題:The Exorcist: Believer
劇場公開日:2023年12月1日

あらすじ

ヴィクターは12年前に妻を亡くし、ひとりで娘アンジェラを育てている。ある日アンジェラと親友キャサリンは森へ出かけ行方不明となり、3日後に保護される。その日から彼女たちの様子がおかしくなりはじめる。

ヴィクターはかつて憑依を目撃したクリス・マクニールに助けを求め、悪魔祓いの儀式を行おうとする。

感想(ネタバレ含)

神父が行う許可が得られなかったから、じゃあ我々で…と、近所の人たち(素人)で行うのですが、エクソシストもナメられたものだなぁと思いました。

危険だから許可が下りないわけで、できないのには理由があるのです。そこがまずなんだかなぁ~と思ったところです。

神父が担うはずのリーダーシップは、主人公の父が請け負うのかと思いきや、彼も娘との関係がいいだけで、大した人格者ではなく、信仰心もない。

一方、キャサリンの両親も、信仰はあるが自分たちさえよければいい身勝手タイプ。悪魔の言葉を信じてしまい、その結果、娘を失う。

誰にも共感できない中、唯一、隣の看護師はまともでしたが、部外者といえば部外者。大昔の堕胎についてほじくり返されて、とんだ巻き込まれ事故となり、気の毒でした。

特に『エクソシスト』のリーガンの母親だったクリス・マクニールには、失望しました。

50年前の事件から、目撃者として本を出したり講演をしたりしていたそうで、そんなことをしていたら、そりゃあ娘も出ていくよ…あんなことがあったんだからさ…しっかり娘との信頼関係を構築してよ…と悲しくなりました。

彼女は母親としての役割を自覚して、娘を育て上げていなければならなかったのです。

それに、悪魔の取り憑いた子どもがどんなに恐ろしいか、誰よりも知っているはずなのに、のこのこ会いに行ったりして、全然学んでいないではないですか。

その報いなのか酷い目に遭ってしまうのがまた悲しく、映画上のこの仕打ち、設定はあんまりだと感じました。

この映画には柱がないため、これで二人分の悪霊に勝てるのか? と終始不安な気持ちで見守ることになりました。

とにかく「登場人物に中身はないけど数で勝負」みたいな感じです。うまくいく気がしません。

結局、主人公の少女のうちひとりは救われましたが、悪魔は一旦退散したのみで、神は敗北したと見ていいと思います。

果たして、神は勝てるのか…三部作となるらしいので、本当の勝負はこの先になりそうです。

このクオリティをあと二作見せられるのかと思うと、逆に楽しみです。

評価できるところがあるとすれば、悪魔憑きの描写はまあまあ頑張っていたと思います。これだけホラー映画がある時代、初代エクソシストの衝撃を超えることは不可能で、仕方のないことです。

少し前に観た『ヴァチカンのエクソシスト』の方が安定感があって、ずっと良かったなぁと思いました。

いやぁ…いろいろと残念でしたが、次回作も必ず観ます。

(追記2024.1.21)

続編から、デビッド・ゴードン・グリーン監督が降板することが明らかになったと、米ハリウッド・レポーターが報じているそうです。これで続編の製作は微妙に。

まぁ、その方が良かったかもね!