主人公のキム・ボラが菊地亜美に見えて仕方なかった…。
ジャンルとしては都市伝説ホラーとか、伝播する呪い系ホラーでしょうか。意外と「お化け」という表現は当たっていると思いました。
日韓の合同作品で、舞台は韓国の実在する駅です。脚本は『リング』の高橋洋さん。日本で1948年に起きた寿産院事件(えい児の大量殺人)をヒントにしているようです。
この事件をウィキペディアで調べたら、産科医師の女が赤ちゃんを何十人もあやめたという、とんでもない事件でした。そちらの方がよほどショッキングです。
ホラーとしてどうなのかというと、それほど怖くはありませんが、ジャンプスケア(突然の大きな音や、怖い画で驚かせる手法)は多用していて、怖い気にはさせられました。
驚くだけで怖いわけじゃない! と思いなおすため、気持ちが冷めるんですよね。
全体の流れとしては…
・冒頭つかみとして少し怖い「良い」シーンがある。
・しかしそれが何だったのか、未だによくわからない。単なるつかみ?
・その後しばらくは話についていけず、自殺者? 幽霊? 実在する人間? と混乱。
・人の顔が次々と入れ替わるので誰が誰に襲われているのかイマイチわからず、面倒になって少し眠くなる。
・記者のナヨンが子どもの霊の謎を解くのか! と理解できて覚醒。
・そこからはラストまでそこそこ楽しく鑑賞。
このような感じでした。
特に前半の話がよく分からず、つらかったのですが、後半持ち直して、楽しく観終われました。
主人公ナヨンが記者の割にはだらしなく、共感できなかったのが(自分にとっての)敗因でしょうか。
呪いを押し付けられてもあまり気の毒には見えず、最後の復讐の場面ですっきりしそこなった感じはありました。
しっかり観客に共感を引き付けてこそ、最後の逆転が効いてくると思うのですが…。
もう少しラストを恐怖寄りにしても良かったかもしれません。
あと、画面の揺れがちょっと気になって、酔うのではないかなと少し心配でした。
あまり怖くなかったといいながらも、実は帰りに、駅のホームやトイレの隙間は一瞬、怖かったです。
ナヨンを陥れた友人も、ナヨンも、この先、生き続けるということで、その関係性が最も怖いです。
その辺りのドロドロしたところを演出にしてもらえたら、私的にはベストだったかな。
面白く拝見しましたが、本心を言いますと、まぁ観ても観なくても良かったか…という部類の映画でした。こんなにどっちでもいい映画は珍しいくらい「無」になりました。そういった意味でとても興味深かったです。
リングを観ていないので、井戸が出てきても「?」でした。やはり有名な作品は観ておかないとだめですね!
おすすめは…う〜ん、お好きな方はどうぞ!