ミステリーやサスペンスの類を期待して見ると、なんか違う…と感じる作品。
ヨアンの闇が何なのか、良くわからないのですが、一応の答えを出しておきます。
目次
10月12日の夜、女子大学生クララが焼死体となって発見された。捜査を担当するのは、昇進したばかりの刑事ヨアンとベテラン刑事マルソー。2人はクララの周囲の容疑者となり得る関係者に聞き込みをするが、男たちは全員クララと関係を持っていたことが判明する。殺害は明らかに計画的な犯行であるにも関わらず、容疑者を特定することができない。捜査が行き詰まるなか、ヨアンは事件の闇へと飲み込まれていく。
2022年製作/121分/G/フランス
『映画.com』より引用
原題:La nuit du 12
配給:STAR CHANNEL MOVIES
劇場公開日:2024年3月15日
昔「ツイン・ピークス」というドラマシリーズがありましたが、あれをやりたかったのかも…という印象。
亡くなった女性に男性関係の秘密があったところ、刑事が事件にのめり込むところなどが似ています。
この映画でも美しく若い女性が殺され、彼女に関係する怪しい男性が次々と浮かび上がります。
「火をつけたライターが送られてきた」「殺人予告のラップを歌っている」「血のついたTシャツ」「墓の前で裸」
変な人が現れるたびに「犯人か!」と思うのですが、どれも決め手とはなりません。
「これは最後まで未解決のままなのか!?!?」薄々分かってきます。
そう思った瞬間に、緊張の糸が切れて、すごい眠気に襲われました。
3回くらいウトウトしてしまいましたが、いいのか悪いのか、話がわからなくなることはありませんでした。
ラップを歌う男のところが面白かったらしいのですが、ちょうど眠気に襲われていたのでしっかり見られず残念。
ヨアンは「事件に取り憑かれることがある」と話しますが、実際それほどにも見えず、彼がどの程度この事件にのめり込んでいたのか心情がつかみにくかったです。
警察署内では同じような雑談が繰り返され、怪しい人物が現れては消え、ヨアンは自転車でトラックをグルグル回ります。
闇とは何なのか…
事態が変わらず閉塞感が続くこと
義務的な仕事の繰り返しなど、日常への埋没
口には出さないが、被害者女性への偏見があった(男性関係など)
単なる仕事のストレス
そんなところでしょうか。
最後に「黒猫は自分だった」と語るヨアン。
フランスでは闇と危険の象徴とされる黒猫に例えたことから、何かを自覚したようです。
フランス映画だからと言うとなんですが、このフワフワした感じは独特です。
最後は街の中へ出て自転車に乗っていたので、彼の中では囚われていたものから解放されたようで、未解決ながら良いラストでした。
しかし、起伏のない話で、2時間は、ちょっと長いと感じました。
欲を言えば、もっと分かりやすく「何が闇か」分かるように表現していただけたら、嬉しかったです。
ちょっと分からないところの多い映画でしたが、サスペンスやミステリーと思わずに、刑事ものの日常系人間ドラマと考えれば良かったのかしれません。
面白そうだと期待して楽しみにしていましたが、面白いというより「味わい系」の作品でした。
本当に見てみないとわかりませんね。
ドミニク・モル監督の名前は覚えておこうと思います。
それではまた、次の映画で!