『胸騒ぎ』映画感想文・しょうがないよね…と思う私は意地悪!?

胸糞映画だとSNSでよく言われていたようですが、私は全く平気でした。

不条理もので、終盤突拍子もない展開となり、面白かったです。

いい映画だと思いますね〜。

あらすじ

休暇でイタリアへ旅行に出かけたデンマーク人の夫妻ビャアンとルイーセ、娘のアウネスは、そこで出会ったオランダ人の夫妻パトリックとカリン、息子のアベールと意気投合する。数週間後、パトリック夫妻から招待状を受け取ったビャアンは、妻子を連れて人里離れた彼らの家を訪問する。再会を喜び合ったのもつかの間、会話を交わすうちに些細な誤解や違和感が生じはじめ、徐々に溝が深まっていく。彼らの“おもてなし”に居心地の悪さと恐怖を感じながらも、週末が終わるまでの辛抱だと耐え続けるビャアンたちだったが……。

2022年製作/95分/PG12/デンマーク・オランダ合作
原題:Gaesterne
配給:シンカ
劇場公開日:2024年5月10日

『映画.com』より引用

感想(ネタバレ含む)

主人公一家に共感できない部分が多々あるため、終始「ま、しょうがないよね…」という気持ちで見続けることになりました。

旅行先で知り合っただけの人の家へ車で数時間かけて遊びに行くでしょうか?

それ以前に住所など個人情報を明かすでしょうか?

胸騒ぎの前に油断しすぎな夫婦ですが、旅行先での様子から加害者夫婦は次のターゲットとして値踏みしていたと思われます。

この夫婦なら騙せそうだと思ったのでしょうね。

賢いし怖い…アウネスのプールでの意味深なショットも後から考えると加害者目線だったのかと気がつきました。

早めに「胸騒ぎ」を感じた妻ルイーセは意外と偉かったけれど、夫のせいでその後逃げるチャンスを何度も逃し、どちらかというとそれが胸糞と言えなくもありません。

ビャアンが本当に残念な人で、子どもアウネスがぬいぐるみをしょっちゅう失くし、そのたびに探して見つけてやるのも違和感がありました。

一事が万事と言いますが、そこに問題点が集約されていたようです。

加害者側のパトリックとカリンは、壁に貼られた写真から、相当な家族を殺害し、数週間単位で子どもを更新していたようです。

子どものいる夫婦への妬みか、理想の子どもを手に入れたいという欲望か、金品の強奪か、単なる殺人鬼か。

奪ったお金でまた旅行し、次の標的を探すのでしょうね。

なかなか頭が良く効率的です。少なくともビャアンたちよりははるかに賢いと言えそうです。

この映画での教訓…

・初対面の人を無闇に信用してはいけない

・よく観察し、考えて行動する

・子どものワガママは時にきけないこともあると教育する

・なにかおかしいと思ったらすぐに逃げる

・お人好しもほどほどに

それにしてもラスト、裸にして投石とはすごいやり方です。

これは古代から伝わる処刑方法「石打ち」ではないでしょうか。

ということは、この夫婦は罪を犯したという加害者側の見方なのかもしれません。

子どもを生贄に捧げたら死刑という、宗教的要素も含まれているのでしょう。

それにしても北欧ホラーは陰湿なものが多いですね。そういうものが生まれそうな風土には見えないのですが、何か闇があるのかもしれません。

昼が長いから調和取ろうとして闇を求めてしまうのかも?

今後も多くの作品が登場するはずなので、注目していきたいと思います。