『プリシラ』映画感想文・衣装や美術が本当に素敵で乙女心がくすぐられました

2022年に評価された映画『エルヴィス』ではあまり語られなかった、最初で最後の妻プリシラ・プレスリーにスポットを当てた映画です。

マイケル・ジャクソンやニコラス・ケイジと結婚していたリサ・マリー・プレスリー(享年54歳)の母親ですね。

二人が出会った時、プリシラはなんと14歳…何か闇を感じます。

あらすじ

14歳の少女プリシラはスーパースターのエルビス・プレスリーと出会い、恋に落ちる。やがて彼女は両親の反対を押し切って、大邸宅でエルビスと一緒に暮らし始める。これまで経験したことのない華やかで魅惑的な世界に足を踏み入れたプリシラにとって、彼のそばでともに過ごし彼の色に染まることが全てだったが……。

2023年製作/113分/PG12/アメリカ・イタリア合作
原題:Priscilla
配給:ギャガ
劇場公開日:2024年4月12日

『映画.com』より引用

感想(ネタバレ含む)

映画『エルヴィス』で、プレスリーは母親に依存し、マネージャーから搾取され、馬車馬のように働かされ、金銭的には無頓着、薬物に溺れ…と、スーパースターでありながら多くのトラブル、精神的な弱さを抱えていることが描かれていました。

母親を失った心の隙間を埋めたのが14歳の少女プリシラだったというわけです。

遠距離恋愛を経て、自分の邸宅へ呼び寄せ、高校を卒業させたという入れ込みよう。

プリシラに髪の色や服も指示して、家にいることを強いていたのも、プレスリーの心の歪みを表していると思います。

しかも、男女の関係はプリシラが21歳で結婚するまで持たなかったという風に描かれており、本当に頭がハテナでいっぱいになりました。

監督ソフィア・コッポラはプリシラ・プレスリーに取材をして、本人しか知り得ないエピソードを盛り込んだそうですから、かなりの部分が事実だということです。

プレスリーの闇の深さを感じます。

私は母親のあり方に問題があったのではないかと想像するのですが…。

で、それはそれとして、この物語は14歳でプレスリーと出会ってから離婚するまでのプリシラ目線での物語です。

後半は離婚に向けてギクシャクしてきますが、ほとんど二人がイチャイチャしているシーンばかり(でも「まだその時じゃない」とか言って、男女の関係はない)のです。

それでも飽きさせないのは、プリシラ役のケイリー・スピーニーがとにかく劇的に可愛くて、ずっと見ていられるというところ。

衣装もハイブランドを次々と着こなし、本当にチャーミングなのです。

特に序盤の若い頃など、プレスリーが惹かれたのも当然と思わせる鮮烈な美しさ。

この振り向いた顔! かっわええ~!

見終わった後、プレスリーの顔が思い出せないほど、主役の彼女が印象的でした。

物語としては、出会いから別れまでをなぞっているだけとも言えますが、その割には満足度が非常に高かったです。

シンデレラ・ストーリーから、夫のモラハラなどあり、女性としてどう生きていくかを模索していく姿に魅力を感じました。

エルヴィス・プレスリーという人は、とても複雑なものを抱えていたので、精神的な苦労はしただろうなと思います。

何か、高橋ジョージと結婚→離婚した三船美佳を思い出しました。彼女もモラルハラスメントを主張していましたね。