【Netflix】『グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち』(1998)映画感想文・相手の心を開くには時間と根気が必要ですね

おすすめに上がってきて、見たのかどうかかわからなかったので鑑賞。

見ていませんでした…この内容、見たら心に残って忘れませんよね。

あらすじ

問題行動が多く、マサチューセッツ工科大学で清掃員として働いていたウィル・ハンティング(マット・デイモン)。並外れた頭脳により、廊下に掲示された学生向けの数学の難問をいとも簡単に解いてしまった。

彼の将来性に驚いた数学教授は、更生のため、疎遠になっていた旧友の心理学者ショーンにウィルを託す。ショーンもまた妻を亡くし心に傷を負っていた。二人は心の交流により、互いのトラウマを乗り越えていくのだった。

1997年製作/127分/アメリカ
原題:Good Will Hunting
配給:松竹富士
劇場公開日:1998年3月7日

感想(ネタバレ含む)

天才青年ウィルが過去のトラウマを克服していくと同時に、心理学教授ショーンも妻を亡くした喪失感を克服していきます。

ウィルが一方的に救われるのではなく、ショーンもまた彼から学び、自分の人生を見つめ直していくところがいいですね。

年齢や立場の関係を超えて、最後は友情のようなものが芽生えたのが素敵でした。

ストーリーはやや先が読めるというか、収まるべきところに収まる感じでしたが、それを抜きにしても、二人の関係性が深まっていく過程は感動的です。

ウィルが能力を発揮できず、荒れた生活をしていたのは、親が認めて伸ばす子育てをしなかったのはもちろん、暴力を受けたから暴力で返すということしかできなかったからではないかと思いました。

どんなに優れた能力を持っていても、自信がなく、自分を過小評価していると、才能を活かすという考えには至りません。

親の教育がいかに大切か、見につまされる思いがしました。

ただ、一方で、素直でストレートなトラウマ克服の話であり、私としては階段を登るような展開に少し物足りなさを感じました。

人の成長はもっと揺り戻しや波があるような気がして、少しウェルメイドに過ぎるような気がしたのです。

こんな、絵に描いたようにうまくいくのかな、という気持ちも少しあり…。

ただ、マット・デイモンとベン・アフレックが20代にしてこの脚本を作り上げたということで、そこは評価しなくてはいけません。やっぱり賢いんだなぁ、なんて。

マット・デイモンの賢い役がハマりすぎて、素行不良なのにあまりそう見えないというデメリットがありましたね。

日頃の関係性が二人の演技ににじみ出ているような、友情物語の側面もあって、ちょっとあざといながらも、ラストの伏線回収は良かったです。

ベン・アフレックって演技がそんなに好きでもないのですが、この作品はまあまあでした(評価低〜)。カッコイイとは思うのですがね…なんだろう?

ウィルが自己開示できないまま別れることになった彼女に、就職を蹴って会いに行くのも、生まれ変わった彼らしくていいラストでした。

アメリカンジョークのような会話に乗れなかった部分はありましたが(『AIR』もそうだった)、最後まで物語を引っ張っていく力があり、飽きることなく楽しめました。

数学の天才でなくても、誰にでも優れた能力はあり、それを人のために活かしていく…当たり前のように見えて実は難しいことなのかもしれませんね。