【U-NEXT】『密輸 1970』(2024)映画感想文・生き馬の目を抜く争奪戦

7月に見逃した作品が半年も経たずに配信で見られるのはすごいと思います。

それでも映画館で見たかった〜面白かったです!

海洋クライム・アクションというジャンルは知らなかった…

あらすじ


1970年代半ば。韓国の漁村クンチョンでは海が化学工場の廃棄物で汚染され、海女たちは失業の危機に瀕していた。リーダーのジンスクは仲間たちの生活を守るため、海底から密輸品を引きあげる仕事を請け負うことに。しかし作業中に税関の摘発に遭ってジンスクは逮捕され、親友チュンジャだけが現場から逃亡する。2年後、ソウルからクンチョンに戻ってきたチュンジャは、出所したジンスクに新たな密輸の儲け話を持ちかける。密輸王クォン、チンピラのドリ、税関のジャンチュンらさまざまな者たちの思惑が入り乱れるなか、海女たちは人生の再起をかけた大勝負に身を投じる。

2023年製作/129分/G/韓国
原題または英題:Smugglers
配給:KADOKAWA、KADOKAWA Kプラス
劇場公開日:2024年7月12日

(『映画.com』より引用)

感想(ネタバレ含む)

海女さんが主役なので、素朴な話かと思ったら、海洋クライムの名にふさわしい派手なエンタメ作品でした。

冒頭から演歌調の歌謡曲が流れ、70年代の雰囲気たっぷりです。当時の韓国は知りませんが、どことなく日本と似通った文化を感じました。

テンポも良くてケレン味たっぷり、弱い立場でありながら、女性たちが非常に強くてたくましく、したたかです。

海女たちが逮捕される中、ひとり逃げたチュンジャが2年後に戻り、いろいろあって、元仲間であるジンスクと再び心を通い合わせるシーンがグッときました。

そこからの団結や、敵(チンピラ・税関のおっさん・サメなど)を欺く知恵と度胸がとても清々しく、心の中で思う存分応援しました。

終盤、海中でのチンピラとの攻防には新鮮さを感じて、面白かったです。

陸上では男たちに力でかないませんが、海中ではさすが海女さん! 水を得た魚とはこのことで、一致団結してチンピラたちを海に沈めていく(殺害)のが痛快でした。

海の中や、水中での撮影がすごく大変そうだなぁとも思いました。水が怖い女優さんもいらして、何か月も練習されたそうです。そんな風には見えなかった…本当に大変!

ラストで、クォン軍曹が生きていることがわかり、左胸刺されてなかったっけ…と不可解でしたが、そこへチュンジャがダイヤを一粒持って現れる、と。

あのカバンの中身は海女さんたちで山分けして、ダイヤ一粒だけクォン軍曹に返したという意味でしょうかね。

密輸王にそんなマネをして大丈夫かなという気もしますが、チュンジャは彼といい仲になりそう(なっていた?)だったので、許されるであろう…と解釈しました。

ラストで「病室へ見舞いに来る」っていうのはものすごくありがちなので、ちょっとそこだけは安易だったのではないかと残念でした。

前半少しわかりにくい人間関係を乗り越えたら、後半俄然面白くなってきて、最後まで本当に楽しめました。

映画館で見られなかったのは残念ですが、鑑賞できて良かったです。