『羊たちの沈黙』以外はボチボチなのかと思っていたら、今作も面白かったです!
このシリーズ、どれも監督やキャストが違って個性があり、興味深いですね。
↑レクター博士と双璧のサイコパス登場!?
目次
FBI捜査官グレアム(エドワード・ノートン)は、重傷を負いながらも連続殺人鬼レクターを逮捕した。引退して3年後、一家全員を惨殺し、眼球に鏡の破片を突き刺す猟奇殺人事件が発生。元上司から捜査への協力を求められ、獄中のレクター(アンソニー・ホプキンス)に会いに行く。
一方、荒れた屋敷に住むビデオメーカーの技士フランシス・ダラハイド(レイフ・ファインズ)通称ミスター・Dは、自らの障害と祖母からの過去の支配によりトラウマを抱え、自らを超越した存在になることを渇望していた。
2002年製作/125分/アメリカ
原題:Red Dragon
配給:UIP
劇場公開日:2003年2月8日
レッド・ドラゴンと聞いて、下のようなものを想像していたのですが、全然違いました。これに憧れたらファンタジーですよね(笑)
ミスター・Dが心酔し、タトゥーまで施したのは、下の絵です。ん? 何がどうなってるの? 後ろ向き? そんなに赤くないよ?
映画内ではかなり重要な絵で、200年以上前に描かれた実際の作品。不気味さが漂います。
でもなーんかよく分からないし、顔も見えません。そこでもう2枚見てみました。
竜というか、ちょっと人間寄りの怪物なんだなと分かります。
今作の面白さはミスター・Dの心の闇がしっかり描かれているところにありました。
人間を超越し、支配する存在になりたいという欲望と異常性がある一方で、盲目の女性と知り合い、心が揺れるという人間らしさが生まれ、戸惑い葛藤するところが面白かったです。
顔の傷や恐ろしいタトゥーも、見えない彼女には関係ありません。一瞬彼女を受け入れようとしますが、すでに多くの殺人を犯しており、平凡な幸せを掴むには時すでに遅し、というのも悲しかったです。
捜査官グレアムとレクター博士の攻防もあり、グレアムのプロファイリングも興味深く、見どころがたくさんありました。
しかし、タイトルから受ける赤い竜のイメージと絵がやはり、ちょっと合わない気がします。重要なアイテムだけに残念でした。
古い絵なので色が褪せたのでしょうかね。
ミスター・Dが美術館でこの絵を破り、食べてしまったのは、自分の中に芽生えた人間性を否定し、赤い竜との真の一体化を望んだからなのでしょう。
悪に振り切った瞬間、という風に見えました。
この辺りのラスト30分くらいが、怒涛の展開で、ものすごく面白かったし、楽しかったです。
レクター博士は結局、前回ほどには強調されずに終わりましたが、それはそれとして、かなり満足度の高い作品でした。
悪の根源…ミスター・Dにとっては、虐げられた幼少期のトラウマでしたが、レクターも子どもの頃の事件がきっかけで殺人鬼となったので(次の『ハンニバル・ライジング』を続けて見ました)、彼の心理はよく分かったのでしょうね。