レビューサイトで辛口コメントをいくつか、今見てきたのですが、つまらなかったですかね?
本当に感想は人それぞれだと実感。私はとても面白く拝見しました。
なぜかあまり食指の動かないビジュアル…
目次
死後の世界で「人間怖がらせ屋」を営む推定年齢600歳のビートルジュースは、かつて結婚を迫るもかなわなかったリディアのことをいまだに忘れられずにいた。リディアは自身の霊能力を生かしてテレビ番組の司会者として活躍しているが、私生活では一人娘アストリッドとの関係に頭を悩ませている。アストリッドは幽霊の存在を信じておらず、母の霊能力もインチキだと思っているのだ。ある日、数世紀前から死後の世界の倉庫に封じられていたビートルジュースの元妻ドロレスが復活し、ビートルジュースに対して復讐を企てる。一方、アストリッドが死後の世界に囚われてしまい、リディアは最終手段としてビートルジュースに助けを求めるが……。
2024年製作/105分/G/アメリカ
原題または英題:Beetlejuice Beetlejuice
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2024年9月27日
ティム・バートンは『バットマン』『バットマン リターンズ』が大好きで、『シザーハンズ』『チャーリーとチョコレート工場』は好きでも嫌いでもなく普通です。
ファンというほどでもなく、一作目の『ビートルジュース』も未見でした。
家で見てから行こうと思ったのですが、急に時間ができて鑑賞することとなり、帰宅してから一作目を鑑賞。
冒頭から前作オマージュがあったのか…など、知っていたらより楽しめたのかもしれませんが、それを抜きにしても充分堪能できました。
二作品とも、思ったよりもビートルジュースが出ずっぱりじゃないんだと意外でした。
ウィノナ・ライダーって昔本当に可愛くて、ティム・バートンやジム・ジャームッシュの作品に出ているオシャレな女優さんというイメージで、憧れていました。
その後、万引きや恋愛やなんやかんやあって出演作品もあまり多くなく、現在52歳。見るのが怖かったのですが、相変わらず可愛くてホッとしました。
同年代の女優さんが老け込んでいると、なんだか落ち込むんですよね(笑)
物語は、かなりいろいろと詰め込んでいて、祖父の突然の死、母の結婚、娘の恋、娘の父への思いと母への反発など、家族の諸問題に加えて、ビートルジュースの恐妻の復活、リディアへのしつこい恋心と四方八方に風呂敷を広げ「これ105分で片付くの?」と心配になったほどです。
終盤のミュージカルはちょっと悪ノリし過ぎというか、やり過ぎ感がありましたが、私にはご愛嬌のレベルでした。
もうティム・バートンも60代なので、好きなようにやっていいじゃないかという気持ち。
やや強引だったので、嫌な人には嫌かもしれませんね。
終始テンポが早くて小気味よく物語が進み、凝りまくった美術に目を向ける暇がないため、吹き替えの方が良かったなぁと感じました。もっとゆっくり見せて!と思うほど、美術が素晴らしいです。
死後の世界が、軽やかにポップに描かれていて、そこを垣間見た母と娘は、毒蛇に噛まれた祖母やピラニアに食いつかれたままの父と「また会おう」と明るく別れを告げて、人間界へ戻っていきます。
死というものが日常の延長にあり、身近であり遠くもある場所として描かれているのが良かったです。
みなアフロヘア、ソウルミュージックで踊りながら霊界へ行けるなら、楽しいでしょうね。
人間の死因はさまざまで、身体のあちこちが欠損しているのは普通。霊界では生存者がマイノリティというのも面白いところでした。
また、悲惨な死に方を連想させる造形の数々に、ティム・バートンの異形への愛を感じました。
本当に愛情を持って楽しんで作っていることが、スクリーンから伝わってきて、とても楽しかったです。
ティム・バートンやっぱり好きかも…と今回思ったので、未見の作品をいくつか見てみようと思いました。