『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』映画感想文(2019)・U-NEXTにて鑑賞

起承転結がはっきりしない形で終盤まで進みます。これはシャロン・テート事件の話だったはずでは? どうなるの? と思い始めた残り30分…タランティーノらしさが炸裂。

そこまで2時間以上。ディカプリオとブラピだから、この長尺が持ったような気がしないでもありません。

二人の心理描写や、ダメさ加減も含めて本当にカッコイイです。

あらすじ

クエンティン・タランティーノの9作目となる長編監督作。レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットという2大スターを初共演させ、落ち目の俳優とそのスタントマンの2人の友情と絆を軸に、1969年ハリウッド黄金時代の光と闇を描いた。

第92回アカデミー賞では作品賞や監督賞、脚本賞、ディカプリオの主演男優賞、ピットの助演男優賞など計10部門でノミネートされ、助演男優賞と美術賞を受賞した。

テレビ俳優として人気のピークを過ぎ、映画スターへの転身を目指すリック・ダルトンと、リックを支える付き人でスタントマンのクリフ・ブース。目まぐるしく変化するエンタテインメント業界で生き抜くことに神経をすり減らすリックと、いつも自分らしさを失わないクリフは対照的だったが、2人は固い友情で結ばれていた。

最近、リックの暮らす家の隣には、「ローズマリーの赤ちゃん」などを手がけて一躍時代の寵児となった気鋭の映画監督ロマン・ポランスキーと、その妻で新進女優のシャロン・テートが引っ越してきていた。

今まさに光り輝いているポランスキー夫妻を目の当たりにしたリックは、自分も俳優として再び輝くため、イタリアでマカロニ・ウエスタン映画に出演することを決意する。

そして1969年8月9日、彼らの人生を巻き込み、ある事件が発生する。

2019年製作/161分/PG12/アメリカ
原題:Once Upon a Time… in Hollywood
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
劇場公開日:2019年8月30日

ネタバレあり感想

主役の二人は素晴らしく、逆に、ディカプリオとブラピ以外の登場人物がさほど魅力的に描かれていなかったのが、どうなのかな…という感じでした。

あのブルース・リーも傲慢に描かれて、ちょっと馬鹿にされているように見え、実際問題にもなったそうです。

タランティーノ流のリスペクトの形だとしても、あまり気分が良いものではありません。

ヒッピー集団はもちろんひどいものですし、シャロン・テートも美人なだけで中身のなさそうな女性に見えました。

自分でもよくわからないのですが、何作か見てマーゴット・ロビーがちょっと苦手になってきている自分がいます。

賢いのに役でアホぶっている演技が嫌なのかも…。

それでも最後は殺されるしね、と大目に見ていましたが、全くの無傷で、ああ…タランティーノそういう風にしたんだ…と少しがっかり。

シャロン・テートが無事で残念というのも申し訳ないのです。

ただ、歴史的事件の結末は割とそのまま見せてもらいたいタイプで拍子抜けしたのです。

タイトルからして「おとぎ話」の体なのだとわかるのですが、ハリウッドの闇はそのまま闇でいいのでは? というのが私の感想です。

二人のタフガイがヒッピーたちを懲らしめたという結末は、確かに工夫してうまくまとめてあると思います。

でもあと一歩、実話よりもインパクトが欲しかったような気がします。

それにしても、話が大きく動くまで二時間というのはさすがに長く感じました。

自宅で鑑賞していたので、ずっと序章のような展開に途中で眠くなり、5回くらい中断して見終わるまで数日かかってしまいました。

主に60年代から70年代のカルチャーを再現した美術はとても懐かしく見ましたし、本編は置いといて、立場の違う2人が友情で結ばれ、最後まで続くところが心温まりました。

リックが子役の少女から感化されて、俳優としての再起をかけるところも、味わい深くてよかったですね。

タランティーノですから、伏線、小ネタ、オマージュは相変わらず多く、私が気づいていないものもたくさんありそうです。

何度も見ないとは思いますが、機会があれば調べてみようかなと思いました。