『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』映画感想文・軽妙洒脱

すごく余韻があるわけでもないけれど、見ていて本当に楽しかった!という作品。

こういうのを自分の中では「打ち上げ花火的映画」と位置づけているのですが、まさにそんな映画でした。

また、アポロ11号の月面着陸は成功したと知っているので、安心して見られました。

↑どうして名前と顔が逆になっているの!?

あらすじ

1969年、アメリカ。人類初の月面着陸を目指す国家的プロジェクト「アポロ計画」の開始から8年が過ぎ、失敗続きのNASAに対して国民の関心は薄れつつあった。ニクソン大統領の側近モーは悲惨な状況を打開するべく、PRマーケティングのプロフェッショナルであるケリーをNASAに雇用させる。ケリーは月面着陸に携わるスタッフにそっくりな役者たちをメディアに登場させて偽のイメージ戦略を仕掛けていくが、NASAの発射責任者コールはそんな彼女のやり方に反発する。ケリーのPR作戦によって月面着陸が全世界の注目を集めるなか、「月面着陸のフェイク映像を撮影する」という前代未聞の極秘ミッションがケリーに告げられる。

2024年製作/132分/G/アメリカ
原題:Fly Me to the Moon
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
劇場公開日:2024年7月19日

感想(ネタバレ含む)

たしかに、月面映像はフェイクではないかという噂が昔ありました。

風がないのにアメリカの国旗がたなびいているとかいないとか…。

今さら感はありますが、そんな噂を逆手に取った物語で、面白い発想です。

まさに「終わり良ければ全て良し」で、月面着陸のフェイク映像をめぐるドタバタが、最後丸くおさまりハッピーエンドで、実に楽しかったです。

ただ、予告などで月面フェイク動画の話だと知っていたため、そこへ至るまでが少し長く感じました。

いつになったら本題に入るのか…少し前半の尺を取りすぎたかもしれません。

後から思えば、冒頭の茶番劇は必要だったのか、ちょっと疑問です。

スカーレット・ヨハンソンの衣装が次から次へと変わり、出張なのに何着持って来たの!?というファッショナブルぶりが楽しかったです。

一方で、チャニング・テイタムの原色サマーニット(ランニング透け見え)姿がセルロイド人形みたいで少し気持ち悪かった…。

他は全員シャツにネクタイなのに、発射責任者の彼だけ私服ってどういうことなんでしょう!?

休みの日に急に呼ばれたわけでもないのに…と少し不思議でした。

さて、キーマンならぬキーにゃんの猫について。

我が家には黒猫がいるため「黒猫は不吉」と追い回すサマーニット野郎に憎悪の念を抱きながら見ていましたが、この作品、冷静になってみると猫の扱いに関してはなかなか当を得ていると感じました。

最近、映画内で猫に多くのことをやらせすぎ、働かせすぎ、と苦々しく感じており「人の都合を逆行するのが猫」「言うことを聞かないのが猫」そんな本来のあり方に沿ったものとして、納得できる扱いでした。

ナチュラルに逃げ回る、これぞ猫。走りも軽快で良かったです!

ハッキリと映りませんでしたが、この黒猫、TikTokで見るとかなりの美形でした。

ウソやハッタリで生き抜いてきたPR担当のケリーと、生真面目なNASAの職員コール。

正反対の性格がぶつかり合ったり惹かれ合ったりする、まぁ言ってみればありきたりなラブコメではありましたが、全体的に軽妙洒脱で、スカーレット・ヨハンソンの魅力がたっぷり味わえる良作でした。

チャニング・テイタムに関しては、あまり私の好みではないので、特に良かったという感じもなく、ノーコメントで失礼いたします〜。