これは私にとっては微妙な作品でした。
期待が大きすぎたのかもしれません。
キーアートも予告も面白そうだったので初日鑑賞してからの「う〜ん…」でした。
目次
28歳の孤独なアーティストのミナ(ダコタ・ファニング)は、鳥籠に入った鳥を指定の場所へ届けに行く途中で、地図にない不気味な森に迷い込む。スマホやラジオが突然壊れ、車も動かなくなったため助けを求めようと車外に出るが、乗ってきた車が消えてしまう。森の中にこつ然と現れたガラス張りの部屋に避難したミナは、そこにいた60代のマデリンと20代のシアラ、19歳のダニエルと出会う。彼らは毎晩訪れる“何か”に監視されているという。そして彼らには、「監視者に背を向けてはいけない」「決してドアを開けてはいけない」「常に光の中にいろ」という、破ると殺されてしまう3つのルールが課せられていた。
2024年製作/102分/G/アメリカ
『映画.com』より引用
原題:The Watchers
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2024年6月21日
今作の感想を語る人は冒頭で「M・ナイト・シャマランの娘」と書くのがお約束のようです。
大きい声では言えませんが、それって映画そのものが微妙という意味では?
私はシャマランって『シックスセンス』しか知らないというか、それも記憶が曖昧なので、その辺はあまり考えずに鑑賞しました。
その結果、いまひとつでした、というかはっきり言って面白くなかった…残念です。
申し訳ないけれど、合う合わないは仕方のないこと。ご容赦いただきたいです。
・まずウォッチャーに見られているというシチュエーションありきなので、ミナがそこへ加わるエピソードがまどろっこしくて、丸々いらないような気がしました。
・箱へ入ってからは、一度は逃げようとして断念、仲間内でイザコザ、ルールを破りかけて大変、みたいなのは想定内中の想定内で、眠くなってしまいました。
・ジャンプスケアが時々あり、音で目が覚めて「起こすなよ!」とキレかけましたが、これは私が悪かったと思います。
・割と早目に部屋から脱出してしまいます。これはやはり終盤に持っていって、シチュエーションをもっと活かしてほしかったです。
・この部屋に入って何か月経ったのかがわかりにくかったです。風呂や食事はどうしていたのか、もっと過剰に精神を病んでもおかしくないし、描けば面白いのになと思いました。
・地下室を見つけて「食べ物がある!」とか言っていたけれど、電気もついていたし、さっきまで博士がいたような様子はどういうことなのでしょうか。何年も経っていたと思うのですが。
・ニョオウインコは100万円以上する高価なインコなので、自分のものにしてはいけません。
・タネ明かしにかなり時間をさくのですが、あまり関心が持てず、箱からは出られたんだし、もういいじゃん。という気持ちになって、そこから急激に興味が薄れてしまいました。
・地図にも載っていないという森の中に、誰が箱を建設したのでしょうか。
・Gが出たのが何より気持ち悪かったです。
そんな中でも面白かったのは、ダニエルから締め出されて草むらに隠れている時、進撃の巨人っぽいクリーチャーの姿が垣間見えたところです。
意外と動きが早くて、暴力性も感じられ、いいキャラクター造形に思えました。
頭の中でどうしても「進撃の方が怖いよね…」と比較してしまいましたが、あの得体の知れない怖さをもっと追求してほしかったです。
ダコタ・ファニングが能町みね子さんに似ているな…とずっと思いながらの鑑賞でした。
いろいろと雑な部分があるけれど、映画内リアリティはわりとどうでもいいという、黒沢清監督のようなものなのかもしれません。
しかしあまりに違和感が多いと、引っかかってばかりで物語に乗りきれないのです。
辛口というか、ボロクソで本当に申し訳ないです。
続編への色気も感じるラストでしたが、これはもういいかな。