どのシーンか分かりますね。ジョーとクレアが出会ったカフェのシーンです。
スーザンにも光を当ててあげて…
目次
大富豪パリッシュ(アンソニー・ホプキンス)のもとに突如客がやって来た。ジョー・ブラック(ブラッド・ピット)と名乗る彼、実はパリッシュを迎えに来た死神で、ついでにパリッシュを案内人にして人間の世界を見に来たのだった。娘のスーザン(クレア・フォーラニ)は彼の姿を一目見るなり驚く。ジョーは街で意気投合した青年にそっくりだったからだ。それもそのはずジョーは死んだその青年の肉体を借りてこの世界に降りてきたのだ。その後二人は徐々に愛を深めていく。人間の恋愛を知ったジョーは彼女をあの世に連れて行きたいと葛藤する。苦悩の末ジョーはパリッシュとこの世を後にする。そして彼らと入れ替わりにスーザンと意気投合した青年が彼女の前に姿を現すのだった。
1998年製作/181分/アメリカ
原題または英題:Meet Joe Black
配給:UIP
劇場公開日:1998年12月19日(『映画.com』より引用)
最もステキなシーンが冒頭にある映画。ジョー(仮)とスーザンの出会いのシーンが抜群です。
その後いろいろ長くて2時間半もありますが、このシーンの推進力だけで最後まで見てしまいました。
(残念ながら、私にとってこれ以上のシーンは…)
カフェの前で別れてからも交互に振り返り、目が合わないまま諦めたように角を曲がっていくクレア・フォーラニ。そしてよそ見をしていたため派手に2回も車に轢かれて飛んでいくブラピ…これもまた衝撃的です。
絶対に死んだと分からせるためでしょうか。私のような疑い深い者は、後から登場した「死神」が、実は生きていたブラピの芝居なのでは?と思う可能性もあります。
ブラッド・ピットのすごいところは、この後死神になり、最後にカフェの男に戻ると、ちゃんとカフェの男に人格が変わっているように見えるところ。
さらにこの翌年『ファイト・クラブ』ですから、本当に上手い俳優さんです。
ちなみに私は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の屋根に登ってアンテナを修理するところが好きです。意味もなく上半身裸になるところとか笑。
(そういえば今作は、ベッドシーンがしつこくて、早送りしてしまいました。)
ブラピとバランスを取るにはかなりの美女でなくては負けてしまうところですが、クレア・フォーラニがまた美しくて良いですね。
アンソニー・ホプキンスが人格者として演じているのも嬉しいです。映画内で精神的な柱になっているため落ち着きます。
恋愛映画かと思いきや、意外とヒューマンドラマで、家族愛や生き方について考えさせられました。
無条件で可愛がられる妹クレアに対して、姉のアリソンは父親のためにアレコレ手を尽くしても疎ましがられます。
最後に父と姉アリソンの和解まできちんと描かれているのが、とてもいいと思いました。
死神ジョーが人間の世界を垣間見るという設定により、人としてどう生きるかが客観的に見られるところがすばらしく、死神にとっては切ない別れとなりましたが、いいラストでした。
まぁ、スーザンについては「結局顔かい!」という気持ちもなくはなく、カフェブラピから死神ブラピに変わって戸惑いつつも、恋に落ちた気持ちが薄れなかったのはすごいことです。
見た目も大切なので、文句を言うつもりは一切ありませんし、逆に「そういうこともあるよね…」と共感しました。
なんとなくディズニー映画を想起させられる、おとぎ話のような作品でした。