普通に面白かった作品、と言うと面白くなさそうに見えますが、見ている間も鑑賞後も、素直に楽しかったと言える作品でした。
「普通に面白かった」って何なんだろうなと考えました。

7人の詐欺師ってこの7人じゃないというのが、わかりにくいミスリード
目次
税務署に勤める真面目な公務員・熊沢二郎は、天才詐欺師・氷室マコトの巧妙な詐欺に引っかかり大金を騙し取られてしまう。刑事である親友の助けで氷室を探し出す熊沢だったが、氷室は熊沢に対し、ある提案をする。それは熊沢が追っている権力者を詐欺にはめ、その権力者が脱税した10億円を徴収するから、そのかわりに自分を見逃してほしいというものだった。熊沢は犯罪の片棒を担ぐことに戸惑いながらも、自身のある復讐のため、氷室と組むことを決意。2人はクセ者ぞろいのメンバーによる詐欺師集団「アングリースクワッド」を結成し、壮大な税金徴収ミッションに挑む。
2024年製作/120分/G/日本
配給:ナカチカピクチャーズ、JR西日本コミュニケーションズ
劇場公開日:2024年11月22日
内野聖陽と岡田将生がいい、真矢ミキと川栄李奈と小澤征悦(ゆきよし、といつも読めない)もいい。
しかし、ものすごく新鮮な驚きのある面白さではなく、想定内での面白さでした。
Netflixドラマ『地面師たち』が私にはかなり衝撃的な面白さだったので、地面師詐欺をはたらく時点で新鮮さが薄れてしまったのかもしれません。
ちなみに『地面師たち』は「積水ハウス地面師詐欺事件」を元にしていて、『アングリー・スクワッド』は2016年韓国ドラマ『元カレは天才詐欺師 38師機動隊』が原作のようです。
製作は今作の方が先のようですし、タイミングが悪かったのかなと思いました。
物語は、後半よりも前半の中古車詐欺の方がなぜかワクワクしました。
ただ、マコトがあっさり詐欺を認めるところに拍子抜けしたり、父親とのことも思わせぶりな割にはさらっと流したり、ちょっとライトというか、軽い感じがしました。
最後の裏をかくところや、実は七人目が母親だったところも、思ったほどカタルシスがなくて「ああ、そう…」という感じで、でも決して面白くないわけではなく、なんか変な感じでした。
内野聖陽さんは私には『きのう何食べた?』のイメージが強く、今作の気の弱く優しい税務署員が時折ケンジと重なるところがありました。(ドラマシリーズを2、3周見たのでこれは仕方ないです。)
そして、岡田将生さんは映画では最近悪人や微妙な性格の役が多く、ちょっと偏っていないかと勝手に心配している私。結構好きなので、幅広い役を演じてほしいと密かに期待しています。
来年、中原中也の映画に出られるそうなので(中原中也役は木戸大聖、あと広瀬すず!)それがとても楽しみです。
それで、あとはもうあまり語ることもなく…何なんでしょうか、面白かったのに「どこが?」と聞かれても「なんとなく」としか答えられないこの感じは…。
私は上田監督の作品は『カメラを止めるな!』しか見ていないのですが、あの面白さを10とすると、6〜7割くらいで、少し物足りないかな…という感じでした。
それでも、面白い作品を撮られる監督さんだと思うので、今後の作品には期待しています。