【U-NEXT】『デス・プルーフinグラインドハウス』(2007)映画感想文・内容がなくても面白い

意外と、と言ったら申し訳ないのですが、かなり好きな映画です。

美しい女性が大勢出て、私も女性ですが「みんなキレイ〜カッコイイ〜」と楽しみました。

デス・プルーフ仕様の車(笑)

あらすじ

鬼才Q・タランティーノ監督が、殺人鬼とセクシー美女軍団の激闘をカーアクション満載で描いたスラッシャー・ムービー。テキサスの人気女性DJジャングル・ジュリアは、女友達と一緒にお気に入りのバーを訪れる。しかし彼女たちの背後には、車を凶器に美女を狙う恐ろしい殺人鬼スタントマン・マイクが忍び寄っていた。それから14カ月後、今度はスタントウーマンのゾーイたちがマイクの標的となるが……。

2007年製作/113分/R15+/アメリカ
原題または英題:Death Proof
配給:ブロードメディア・スタジオ
劇場公開日:2007年9月1日

(『映画.com』より引用)

感想(ネタバレ含む)

昔のアメリカのテレビドラマを思わせるチープなオープニングから始まり、冒頭からワクワクします。

この映画は、タランティーノの好む「筋に関係ない話」「下ネタ多めのくだらない話」が多く、『レザボア・ドッグス』の女性版のようにも見えました。

あらすじには殺人鬼vs.セクシー美女軍団とありますが、前半のセクシー美女軍団(ビッチ笑)は全員マイクに殺されてしまいます。

車が正面衝突し、女性たちが顔を轢かれるわ足は切断されるわの大惨事。

それをまたスローモーションでいろんな方向からこすってこすって…これどこかで見たような気がしますが、もしかしてダリオ・アルジェントの『4匹の蝿』が元ネタかなと思いました。

(ラストの美しい妻がスローモーションで事故に遭うむごいシーンは、アルジェントが苦労して撮影したという話でした。)

そして後半の美女軍団はやたら威勢が良く、ゾーイ・ベルは元々スタントマンですから、身のこなしも抜群。見ていて気持ちがいいのです。

車のボンネットに張り付くのはもちろんすごいですが、私が好きなのは車の窓から滑り込むように乗るシーン。

また、鉄パイプを持って箱乗りするシーン。

画は小さいですが本当に猫のようにしなやかで、惚れ惚れするのです。

殺人鬼を逆に追いかけ始める美女軍団が、嬉々としていて、マッドマックスの敵軍団ような印象もありました。

ヒャッハーとでも言いそうな勢いでした。

B級作品の体で製作したとは思えない、本格的なカーチェイスが繰り広げられ、見応えもかなりありました。

最後、女性3人でマイクをフルボッコにし、顔面にかかと落とし。あれ…マイクを殺していますよね。

(前に日本でもかかと落としでの殺人がありました)

3人のガッツポーズでENDというラストも非常に小気味よくて痛快です。

前半で無惨に殺された女性たちのリベンジとも受け取れるため、とてもスッキリします。

たいした物語もなく、ただ殺人鬼に復讐するだけという話ですが、魅力的な映画でした。

いつもそうですが、タランティーノが楽しんで作っている姿が目に浮かぶようです。

ロバート・ロドリゲス監督の『プラネット・テラーinグラインドハウス』とセットで見るのがよさそうなため、ぜひ近々見てみたいと思います。

そちらはゾンビ映画のようですね。ゾンビと言うだけでB級感がただよいますが、さていかがなものでしょうか。