【U-NEXT】『ビートルジュース』(1988)映画感想文・ピースフルで好き

『ビートルジュース・ビートルジュース』を見た後で鑑賞しました。

当時はこのビジュアルがなんとなく好きになれなかったのです(笑)

36年も経ってしまったのか…!!

あらすじ

若い夫婦アダムとバーバラは自動車事故で命を落とすが、幽霊となって自分たちの家に留まり続けていた。ところがある日、その家に人間のディーツ家が引っ越してくる。アダムたちは彼らを脅かして追い出そうとするものの効果はなく、ディーツ家の中で唯一自分たちの姿を見ることができる娘リディアと親しくなる。やがてアダムたちは、人間を退治してくれるという「ビートルジュース」を死後の世界から呼び出すが……。

1988年製作/92分/G/アメリカ
原題または英題:Beetlejuice
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:1988年12月10日

(『映画.com』より引用)

感想(ネタバレ含む)

元の作品を、続編の後から見ることはよくあります。あれは前作のオマージュだったのか、と後から気がつき、それはそれで楽しいなと感じます。

今作も町の空撮から始まるところから同じだったので、前作のファンの方は最初からワクワクしたでしょうね。

驚いたのは、主役のビートルジュースが登場するまで45分もかかったこと。

映画の前半には出てこないのです。(登場した時に「出た〜!」って自分で言いましたからね。)

出てくるなり奥さんにキスしたり、ドサクサに紛れてお触りしたり、やりたい放題。遅れて来たくせにハイテンションでせっかち。駆けつけ三杯って感じが笑えます。こういう人いますよね。

「こりゃ最初から出したら疲れるな…」と察しました。

ビートルジュースは何かと問題のある人物ですが、言うほど悪い奴でもなく、茶目っ気があって、愛らしく描かれています。

「キャラクターとしての深みや成長があまりありません。つまり、彼はあるがままな人物なのです」とティム・バートンが語るように、考え込んだり悩んだりしない、今を生きている感じがいいんですよね。

私たちは普段あれこれと悩み苦しんで生きていますが、そういう心の煩わしさを超越した存在であるところに、人気があるのでしょうか。

ティム・バートンも悩み多き方のようですし、とても愛情を込めたキャラクターなのかもしれませんね。

問題児ビートルジュースよりみ、どちらかというと生身の人間のほうが問題ありという感じで、幽霊を怖がるより「金儲けに使える!」と企む大人たちの強欲さが皮肉られています。

それらも、最後には屋根裏の幽霊夫婦とリディアを含む親子がひとつの家で共存するというオチとなり、そのピースフルなまとめ方が私はとても好きです。

追い出そう、利用しようとしていた互いの夫婦が、理解し合って一軒の家で仲良く暮らすなんて最高です。

こういうまとめ方をするティム・バートンが私は好きです。

病み系のようなファッションのウィノナ・ライダーの可愛らしさも、その後いろいろあって本当に病んじゃったりして今53歳か〜と思うと感慨深いですね。

この頃の勢いのまま俳優を続けていたら今頃大女優になっていたかもしれないのに、まったくジョニー・デップは罪な男です。

なんとなくユルい出来ではありますが、そこが魅力で、手作り感のある、楽しい作品でした。