人が簡単に死にすぎて残酷ではありますが、面白いです。
タランティーノの作品で、見た中ではかなり上の方です。
主役プラピ…でいいの?
目次
1944年、ナチス占領下のパリ。ナチスに家族を殺された映画館主のショシャナは、ナチス高官が出席するプレミア上映会の夜、復讐を果たそうと計画を練る。一方、ナチス軍人を標的とするアルド・レイン中尉率いる連合軍の極秘部隊「イングロリアス・バスターズ」も、ヒトラー暗殺を企て映画館に潜入するが……。(『映画.com』より引用)
2009年製作/152分/R15+/アメリカ
原題または英題:Inglourious Basterds
配給:東宝東和
劇場公開日:2009年11月20日
タランティーノ作品で特徴的な、登場人物の無駄話が比較的少なかったところが良かったです。
あれこそ真骨頂なのに、とお叱りを受けるかもしれませんが、物語に関係のない話が続くと興味がどんどん削がれてきて、素直眠くなってしまうのです(特に配信は)。
ランダ大尉の遠回しでねちっこい長話は良かったです。性格が表れていて、陰険さが満ち満ちていました。
ブラピも良かったのですが、それよりよりもランダ大尉の印象が強かったです。
終盤にはナチス高官を見殺しにして逃げようとする卑怯なところも最悪&最高です。
ただ、その割には結末が「その程度?」という感じで、やったことに対して釣り合っていない感がありました。
もちろん悪いのは彼ひとりではないのだけれど、登場人物がほぼ全員殺されているのに、助かるんだ…と意外であり、少し拍子抜けしました。
2時間半というのも少し長かったでしょうか。特に私は4章、フランス田舎町のバーでのやりとりが少し長く感じてしまいました。
アイデア豊富でいろんな話を詰め込み過ぎたのかもしれません。
印象的な登場人物が多く、ブラッド・ピットが少し埋もれた感じもありました。
彼が演じるレインはいいキャラクターにもかかわらず、少し出番が少なかったように思います。
不思議だったのは、ショシャナがフレデリックを撃った後で、心配そうに近づいていったところ。
彼女の恋人はマルセルだったんですよね。
もしかしてフレデリックにも少し惹かれていたのでしょうか?
あの場で彼が動いたらトドメを刺すのが普通かと思い、少し不自然な気がしたのです。
ちょっとひるんだというか、隙を見せてしまったのが彼女の唯一かつ最大の欠点でした。
好きだ好きだと言われていたから油断したのかもしれませんね。
最後は映画のフィルムがナチス高官たちを焼き尽くすという設定が、痛快で良かったです。
映画の恨み恐るべしといったところでしょうか。
史実と違うのは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」も同じ。
以前この映画を見た時は何かモヤッとしたのですが、そういうものなんだな…とどちらも許容できる気持ちになってきました。
これもマルチバースの一種と言っていいのかもしれませんね。