意外と言ったら申し訳ないのですが、ストーリーがきちんとしていました。ホラー要素もそれほど強くはなく、とにかくミーガンが何をやっても可愛い。完全に不気味の谷を超えてこちら(人間側)に来ている!
雑なあらすじ
両親を事故で亡くした少女ケイディが、おもちゃ開発会社に勤務する叔母ジェマに引き取られる。ジェマは少女の遊び相手として開発したばかりのAIお友達人形ミーガンを与える。ミーガンはケイディを第一ユーザーとして認識し、彼女を苦しめる者を次々と排除していく。やがて、ミーガンは暴走し始め…。
話がちゃんとしている
ジェマは当初、両親を亡くして傷ついているケイディに向き合うことができていませんでした。
そのため、まだ完全ではないミーガンを世話係としてあてがったのです。
大変なことになったとわかってから、初めて「ミーガンはケイディの目を見ている(自分は見ていなかった)」と気づきました。
そして、自分がケイディを守るのだと考え方を改めたのです。
この点が、ホラー映画にしては不自然さや強引さがなく、とても自然な流れで良いと思いました。
一方でホラーとしては王道の展開
最初の30分ほどはミーガンが出ないまま、丁寧に物語が進みますが、そこからは怒涛の展開です。
「ちょっと嫌な感じの人はだいたいやられる」「すぐ後ろにいてびっくり」「急に大きな音」「やっつけたと思ったらまだ生きていた」等々、ホラーではお約束の展開にほっこりします。
とくに終盤はちょっと笑うほどのめちゃくちゃぶりで、ミーガンはボロボロになるまで食い下がり、大活躍。
2025年に「M3GAN2.0」という続編が決定しているそうで、そこにつながる不穏なラストシーンもお約束としてあり、安心感がありました。
とにかく造形がすごく綺麗で、先日見たリトルマーメイドもそうでしたが、最近のCGは本当にすごいと感心します。
ラストもうまくまとまっていました
なかなか心が通わなかったケイディとジェマですが、怪我の功名とでもいいますか、ミーガンのおかげで絆が深まります。
「お友達」を気に入りすぎて、半ば依存状態となっていたケイディ。
ミーガンの凶行に、ようやく目が覚めて、叔母を助けるところは、ミーガンより叔母を選んだ、という心境の変化が感じられて、大変良かったです。
ミーガンの衣装が「きちんとしたワンピースの下にシマシマのシャツ」で、すこし違和感がありましたが、あれはチャッキー(チャイルドプレイ)へのリスペクトかもしれませんね。
あまり恐怖は感じなかったので、ホラーが苦手な方も意外と大丈夫なのではないでしょうか。
続編は傑作の予感がするので、今作迷っておられる方はぜひご覧ください。