難しいと評判のクリストファー・ノーラン監督のテネットに挑戦してみました。
時間の「順行」「逆行」が入り乱れるので確かに分かりにくい印象。
ただ「真実はひとつであり、起こったことは必ず起こる」という映画内ルールを心得ていれば、楽しめます。
もう一度見て理解したいという欲求がフツフツと湧いてきた場合、合わせて5時間の確保が必要です。
目次
「現在から未来に進む“時間のルール”から脱出する」というミッションを課せられた主人公が、第3次世界大戦に伴う人類滅亡の危機に立ち向かう姿を描く。
2020年製作/150分/G/アメリカ
『映画.com』より引用
原題:Tenet
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2020年9月18日
私は吹替えで一回目鑑賞→鑑賞後は理解度30%くらい→YouTubeで解説動画を見る→字幕で二回目鑑賞→鑑賞後理解度85%くらい→現在に至る(今も三回目吹替え流し見中)です。
これだけやって丸一日費やしました。
この先、細かい部分の理解度を上げられるかもしれませんが、それなら他の映画を見たいので、とりあえず感想を書いて終了とします。
クリストファー・ノーランは分かりやすく作る気持ちがないらしく、なかなかの説明不足。
しかし、理解度に気を取られるのがもったいないほどの、面白い話であることも確か。
深堀りする気があれば、さらに楽しめそうで、実際私は一回目より二回目の方が圧倒的に面白かったです。
私がこの作品で良いと思ったところは、時間が逆行したところで「結果は変わらない」というところです。
過去に戻って現在のトラブルを回避したり、いくつもの世界線が発生したりというご都合的な話ではなく、ただひとつの現実世界を順行・逆行するところがシンプルで潔いです。
人間ドラマの点では主人公とニールの友情、セイターの妻キャットの自由への道、というものがあります。
主人公は事情が分からないまま順行する立場ですが、ニールは全てを知っていて未来から逆行しているため、非常に強いメンタルで任務を遂行しています。
これは1回目ではわからなかったことなので、2回目でのニールへの感情移入は半端なかったです。
「名もなき男」と初めて会ったとされる場面で、ニールがまじまじと「名もなき男」の顔を見ていて「なんだか挙動不審な男だな…信用できるのだろうか…」と思ったものですが、ニールにとっては再会。当然の反応だったのです。
また、ニールはキャットの子どもマックスと同一人物ではないかという説があります。
キャットが過度に二人から守られるのが少し不思議でしたが、それなら納得できます。
ニールが色々なものを背負いすぎていて、あまりに過酷な人生であると言えますが、ロマンのある説だと思います。
本当に色々と考察できて面白い作品です。
三回、四回と見てしまうと、矛盾やアラが見えてくるので、少し未消化の部分もありますが、この辺にしておこうと思います。
来週はいよいよ『オッペンハイマー』公開であり、楽しみです。
楽しみというか…予告を見るとめちゃくちゃ怖かったので心配です。