これは…!!
公開時に映画館で見なかったことを激しく後悔しました。
ひらがなタイトルからのイメージで、子どもを含むファミリー向け? あまり深い映画ではない? ただ楽しい娯楽作品かな? そのような先入観がありました。
本当に見てみないと分からないものですね。
ミー坊がいいなと思えるのは…
ミー坊を見ていてわいてくる素直な感情は、素敵だなとか、うらやましいな、好きだな、というものです。
「自信に満ちた人は魅力的」まさにミー坊はそんな子です。
時に同級生からからかわれたり、ヤンキーにからまれたりすることもありますが、ミー坊自身が堂々としているので、相手が拍子抜けし、付け込まれることもありません。
いつしか仲間から知識や才能を認められる存在になっていきます。
大人になっても、言われたことができずに自信をなくすこともありながら、その度にたくましく乗り越えていきます。
どうして自信を取り戻して立ち上がることができるのでしょうか。
見ていると、その秘密はお母さんの育て方にあるのだろうと思わずにはいられません。
親から自信の水を入れてもらった子は、自分自身を発揮して、何でも乗り越えてたくましく生きていけるのです。
ミー坊のお母さん
そんな、さかなクンのお母さんのエピソードがたくさん取り入れられているようです。
大好きなタコの料理をたくさん作ってくれたり、水族館に毎週連れて行ってくれたり、というのは、本当のお話のようです。
ミー坊の好きなことをいつも認めて応援してくれるお母さんの存在が、とても大きく、愛情を感じました。
特に三者面談で成績について指摘された時のお母さんの答えが素晴らしくて、心に残りました。
「成績のいい子もいれば、悪い子もいる」「この子はお魚が好きで、お魚の絵を描いて、それでいいんです」
これが言える親というのは、なかなかいません。大体「すみません、勉強をさせます」です。
私が羨ましいなと思うのは、ミー坊そのものではなく、好きなものを認めて、とことん応援してくれるお母さんの存在なのかもしれません。
のんさんでなければできない役
さかなクンをのんさんが演じると聞いた時、不思議と違和感はありませんでした。
それが男の子になりきって演じるのか、女の子の設定にするのかはわかりませんでしたが、どちらにしても合いそうだとは思っていました。
ところが、男か女かはどっちでもいいと冒頭で宣言されて「へぇ! 面白い!」と驚きました。
前半こそ、子役の女の子が黒いランドセルを背負っているとか、のんさんが学ランを着ているとか、チラチラと気になりました。
ところが、その後ぐんぐん話に引き込まれて、ひとりの「魚に夢中なミー坊」にしか見えなくなりました。
冒頭の宣言によって普遍性が生まれ、老若男女を問わない「みんなの話」になったような気がします。
あえて宣言した理由が後になって気づく、納得の演出でした。
のんさんの演技は、最初さかなクン個人の話に見えていたものを、どんどん広げていきました。
「ひとりの人間が好きなものを追い求め、困難を乗り越えて自己実現していく話」にまで昇華させたところが凄いです。
のんさんの演技を他でももっと見たくなりました。
まとめ
これはさかなクンの話であると同時に、自分、または子どもや世の中の人たちみんなの話だと感じました。
本当にいい話だし面白いし、最高でした。皆さま、好きなことはとことんやっていきましょう。