北欧サイキック・スリラーということで、いろいろなジャンルがあるんだなぁ…と思いながら鑑賞しました。
キービジュアルにかなり期待させられて、こういうことが起こるのかな? と思っていましたが、起こりません。ちょっとハードル上げてしまったかもしれません。
実際はほぼ子どもたち(団地)の中だけで完結している話であり、かえって話を広げすぎないところは良かったです。1時間57分は少し長かったかな?という気も。
大友克洋『童夢』との関係もよく言われているようですが、これも未読のため何とも言えず、申し訳ありません。
猫がひどい目に遭うので、ちょっとヤケクソ気味です。
雑なあらすじ
ノルウェー郊外の団地に引っ越してきた主人公イーダと姉アナ。アナは重度の自閉症である。二人はベンという少年、アイシャという少女に出会い、四人の子どもたちは互いに超能力を確かめ合うようになる。
始めは無邪気な遊びであったが、次第に他者を脅かすものとなっていく…。
どの子どもが、どのような能力を持つのかがはっきりと言葉で説明されず、映像で見せていく形です。
そのため、ずっと不気味な雰囲気が漂い、誰が何をするかわからない怖さがありました。
また、多様性を意識してか、狙ったのかはわかりませんが、子どもたちが自閉症、白斑症、有色人種など、特徴を持っているところにリアルさを感じました。
一方で大人たちはというと、子どもへの関心が薄かったり、理解できていなかったりするため、何が起こっているのか全く知らないことも、別の意味で恐ろしく感じます。
ただ、子どもだから無垢で残酷で怖いのか…というと、どうでしょうか。
もしも大人が主人公だったら、もっと恐ろしいことが行われたかもしれない、と思うのです。
超能力があって、誰にも知られずに人を動かせたら、この子どもたち以上のことをする人が出てくるのではないか?
人間(大人)の恨みつらみって凄いですからね…こんな能力があったら嬉々として使う人がいるのではないか?
「私ならあんなことやこんなことに使うかもなぁ〜」
色々と想像して、さらに怖くなった次第です。
北欧らしさがあったかというとそれほどでもなく、猫を虐待するところが(なぜか対人間よりも)可哀想でした。
猫を虐待する時点で結末はだいたい読めたものの、やはり容認はできず、残念ながら私にはあまり刺さらない映画でした。
『ミッドサマー』など不穏な雰囲気が楽しめる方はぜひチャレンジしてみてくださいね。