映画を観る時に監督の人となりはほとんど考えないのですが、タランティーノに関しては妙に気になります。変な人って気になるという理由で観に行きました。
また、全ての作品を観ていないので、過去作品を観るモチベーションアップに繋がらないかという気持ちもありました。
俳優など周辺の人が彼について語り、本人は出演しないというドキュメンタリー。
タランティーノの場合は、その方が面白いだろうという判断のようです。カリスマ性が際立つ形となり、その方が良かったと私も思います。
「会ってみたらすごいオタクだった」と予告にありますが、何かのスピーチで彼が話しているのを見たとき、ああ…こういう人なんだ…と妙に納得したのを思い出しました。
長編映画を10本撮れば引退すると公言している、引退間近のタランティーノ。
これまでの作品のエピソードを交えながら、俳優、製作スタッフなどさまざまな方がクレイジーエピソードについて語っていきます。
特に、一作目『レザボア・ドッグス』から二作目『パルプ・フィクション』でカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞する辺りは笑い声もあちらこちらから聞こえ、面白かったです。
これを見て思うのは、作品に残虐性がありちょっとやり過ぎでは…という部分がありつつも、それは置いといて、クリエイター本人が嬉々として映画作りを楽しんでいるところが、実に楽しそうで愉快ということです。
とにかく映画オタクであるゆえに、アンテナが常に映画に関して磨かれていて、ペンがアンテナになっている(憑依?)という表現も納得できます。
正直「タランティーノといえば暴力と残酷描写だよね…」「なんかパクリっぽいのが多いよね…」とあまり乗り気ではありませんでしたが、とりあえず何か観たい気持ちにさせられました。
それはなんだろうな?と思うのですが、今や有名映画監督でありながら、いち映画ファン、映画オタクであるところに、勝手に親しみを感じているのかも知れません。
このドキュメンタリーを見たことで「ますますタランティーノが好きになった」ということもありませんが(ないんかい!)、やはり想像した通り、変態だったなぁ…と感慨深かったです。
まぁ何であれ徹底的に好きであることは大きな強み。クリエイティブな仕事をしている方にはぜひご覧になっていただきたい作品です。
また、このドキュメンタリーを期に、作品を観てみようかという気にもなれますので、きっかけにもおすすめです。もちろんタランティーノのファンは必見!ですよ。