『戦慄怪奇ワールド コワすぎ!』感想文・フェイクドキュメンタリーの新たな魅力

元々ビデオシリーズ『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』というものがあり、前作から8年の時を経て、映画化されたのが今作です。

フェイクドキュメンタリーとか、(ホラー)モキュメンタリーなどと呼ばれる、フィクションをドキュメンタリー映像のように見せる演出。

私はビデオシリーズを見ていないのですが、今作が面白いとの評判を聞いて鑑賞しました。

結論から言うと、シリーズを見ていなくても充分楽しめます。

プロデューサー工藤とディレクター市川の掛け合いがキャラの立っている者同士で楽しく、ちょっと懐かしい雰囲気もあるオカルト?映画でした。

工藤がいかにもな嫌な奴で、味わい深いです。

この雰囲気は、子どもの頃に見たオカルト番組に通じるところがあります。

あれも今から思えば嘘っぽかった…面白かったですが、ヤラセだらけだったのでしょうね。

まず気づいたのは「カメラを止めるな!」と同じロケ地(茨城県水戸市「旧芦山浄水場」)であるということ。この辺りからも、嘘くささを隠そうとしない潔さが感じられます。

ただ幽霊が出たという話に留まらず、意外な展開や明らかになる真相もあり、後半思ったより凝っているなぁと感心しました。

最終的にはホラーというより、怪獣映画なのだろうか? という域にまで達し、見応えたっぷりです。(そして、全く怖くはありません。)

集合的無意識が具現化したようなことを言っていましたが、それ、言いたいだけじゅないの?と、妙に面白かったです。

ツッコミどころが満載で、指摘が追いつかない楽しさとでもいいましょうか、わざとらしさや意図的なものを強烈に感じました。

最後に、田代カメラマンの役を白石晃士監督がされているので、ひとつだけお願いしたいことがあります(読んでいないでしょうが)。

それは画面の揺れで酔ってしまったということ。後半は主に耳で聞きながら、要所要所で薄目を開けての鑑賞となってしまい、堪能しきれなかったのが残念でした。

これは歳のせいもあるのかもしれません。面白いのにな〜と涙目でした。

しかし、自分が揺れに弱いという気づきもありましたし、しばらく外を歩いたら復活できたので良しとします。続編があれば「揺れ次第」で見るかどうか決めたいと思います。

気持ち悪くなったのは内容とは無関係、ホラーが苦手な方でもお楽しみいただけると思います。

面白かったので、若い方々がお友達同士で笑いながら観るのにぴったりですよ!