予告を見て想像はしていたものの、終盤までかなり苦しい展開でした。
どう終わるのか心配になって、何度か時計を見てしまいました。
山田涼介さんは『バッド・ランズ』に続いて汚れ役。
暗い過去を持つ青年を演じていて、声が出ない役なので、今回は台詞もなし。
台本を覚えなくていいという利点はあっても、その分表情で演技しなくてはならないのが難しかったそうです。
目の奥で演技って、本当に大変そうですが、豊かに表現されていました。
目次
「ミッドナイトスワン」の内田英治が監督・原案・脚本を手がけ、声を捨てた青年と視力を失った音大生が静かに思いを紡いでいく姿をつづったラブストーリー。
ある出来事をきっかけに声を発することをやめ、毎日をただ生きているだけの青年・蒼。不慮の事故で視力を失ったピアニスト志望の音大生・美夏と運命的な出会いを果たした彼は、絶望の淵に追い込まれながらも夢を諦めない彼女にひかれていく。
美夏をすべての危険から守ろうとする蒼だったが、彼女に思いを伝える方法は、そっと触れる人差し指とガムランボールの音色だけ。
そんな蒼の不器用な優しさがようやく美夏の心に届きはじめた矢先、運命の渦が2人をのみ込んでいく。
『映画.com』より引用
山田涼介が主人公・蒼、浜辺美波が音大生・美夏を演じ、野村周平、古田新太が共演。久石譲が音楽を担当した。
キャスト
山田涼介(沢田蒼)
浜辺美波(甚内美夏)
野村周平(北村悠真)
まず、ガムランボールとは何かといいますと、バリ島に古くから伝わる青銅製の楽器で「ガムラン」の音を再現したものです。
邪気を払ってくれると言われ、鈴のような形をしています。
この映画のキーアイテムです。可愛い…すぐ欲しくなる悪い癖が出そうになりましたが、ぐっと我慢。
物語はキービジュアルの素敵な写真のイメージとはかなり違っていました。
血なまぐさいシーンもあり、意外とバイオレンスなので、苦手な方は注意が必要かもしれません。
北村(野村周平さん)がとても重要な人物として登場します。主役級とも言えそう。
彼が出てくると、急にアジアノワール的な空気感が出て、嫌いじゃないのでワクワクしてくる自分がいました。
金持ちとそうでない者の描かれ方がステレオタイプではありましたが、山場もあり、緊張感途切れず、最後まで集中できました。
逆に、もう少し気を抜ける楽しい場面があったら、と感じたほどです。
私的には、その役どころを美夏の家のばあやに見い出していました。
美夏の講演会で居眠りしていて、可愛かったのですが、もっと他の場面でも活躍してもらっても良かったのでは?
なんというか、それほど暗い話だったのです。
ラストこそ良かったものの、そこまでが辛いので、一瞬で払拭されたかというと難しかったです。
この主役の二人ならば、もっと綺麗に撮られたものを見たかったという、ワガママな気持ちになりました。
正直なところ、少しもったいないような気がします。
それもこれも、自分が「美しくて感動できる話」を期待していたからかもしれませんね。
少し思っていたのとは違いましたが、楽しく拝見しました。
余談ですが、美夏が見えるようになって、山田くんの年齢と顔でラッキーだったけど、オジサンだった可能性もありますよね。危険な賭けだったと思いました。