『ゴールド・ボーイ』映画感想文・情報を入れずに見るのが吉

あまり大きな期待をしないで「楽しめたらいいな」ぐらいの気持ちで観たのですが、かなり面白かったです。

誰かと観て楽しさを共有したい映画。

ただし、すごく人が殺されるので、その辺はご承知おきください。

あらすじ


実業家の婿養子である東昇は、ある目的のため、義理の両親を崖の上から突き落として殺害する。それは完全犯罪のはずだったが、3人の少年少女がその現場を偶然にもカメラでとらえてしまう。それぞれ複雑な家庭環境や家族の問題を抱える少年たちは、東を脅迫して大金を手に入れようと画策するが……。

2023年製作/129分/PG12/日本
配給:東京テアトル、チームジョイ
劇場公開日:2024年3月8日

『映画.com』より引用

感想(ネタバレ微妙)

情報を入れない方がいいと言いながら感想を書く矛盾をお許しください。

物語が二転三転して、非常に転がされたのですが、それが(例えを出して申し訳ありませんが)『怪物』みたいに作為的で不快な感じではなく、面白がりつつ転がされている感じでした。

殺人者である岡田将生さんは、見た目によらずヒール役、というのが多くなってきました。

なんかちょっと腹の立つ感じや、ちょっと馬鹿そうな感じを演じるのが、ものすごくお上手です。

今作でも中学生と対等にやり合っていて、結局勝ったか負けたかはあえて言いませんが(笑)最高でした。

岡田さんと子どもたちの壮絶なパワーゲームでどんどん人が死んでいき、数えたら相当殺されていました。

ちょっと考えられないような大事件ですし、偶然うまくいったような、危ない展開もありましたが、なにしろ物語にパワーがあるので、見ている間は全く気になりません。

そして子役の三人がとても良かったです。

羽村仁成くんのサイコパスぶりには見ているこちらも騙されたほど上手でしたし、前出燿志くんの軽いキャラクターも緩急として効いていました。昔の大野智くんにちょっと似ています。

そして夏月役の星乃あんなさんがめっちゃ可愛い…将来が楽しみな女優さんです。

今作で夏月は、朝陽(羽村仁成)のことを好きになり、犯罪に手を染め、自ら進んで犠牲となっていく複雑な役でした。

その思いが皮肉にも朝陽の足を引っ張ることになり、なんとも切ない結末ではありましたが、純粋な恋心と悪事との対比がとても良かったと思います。

驚いたのは黒木華さんがお母さん役、岡田将生がおじさんと呼ばれていたところ。

私から見るとお二人ともすごく若いのですが、中学生から見るとおじさんおばさんなのですね。なかなか感慨深かったです。

私と同年代の俳優さんは、もうおじいちゃんおばあちゃん役になっていくんだろうな…。

ラストに『ゴールド・ボーイ2』のクレジットが出たので、続編がありそうです。

今作が面白かったので期待してしまいますが、どのようになるのでしょうか。

もう二転三転大人と子どもの対決、というネタは新鮮ではないので難しいかもしれませんが、楽しみにしたいと思います。