想像していた陰陽師とは違っていましたが、わかりやすくて、娯楽映画として面白かったです。
ただ少し気になるところも?
気にし過ぎ?
深く考えずに「ああ面白かった!」で済ませておいた方がいいのかしら?
目次
呪いや祟りから都を守る陰陽師の学び舎であり行政機関でもある「陰陽寮」が政治の中心となっていた平安時代。青年・安倍晴明は天才と呼ばれるほどの呪術の才能をもっていたが、陰陽師になる意欲も興味もない人嫌いの変わり者だった。ある日、彼は貴族の源博雅から、皇族の徽子女王を襲う怪奇現象の解明を頼まれる。衝突しながらもともに真相を追う晴明と博雅は、ある若者が変死したことをきっかけに、平安京をも巻き込む凶悪な陰謀に巻き込まれていく。
2024年製作/113分/G/日本
『映画.com』より引用
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2024年4月19日
野村萬斎の前作を見ていないので、良くも悪くも先入観がない私でしたが、それにしてもVFX多用、バディもの、現代風アレンジなど、意外な点が多かったです。
勝手に平安絵巻的なものを想像していたため、衣装や美術など、かなりイメージと違っていました。
よく言えばオリジナリティがあって良い、悪く言えば頭の真ん中に花つけたりしてアホみたい、ということで、少し微妙ながらも、おかしさを楽しむことができました。
透明のグラスに入ったお酒がどうしてもカルピスに見えてしまい(多分そうだと思う)、山﨑賢人と染谷将太がカルピス飲んで酔ったフリとか可愛いじゃないかと思ったり…。
まさかそこまで狙ったわけではないでしょうが、いろいろな点で時代考証はしないことにしているのだなと判断。
映画内リアルとしてそれもアリです。
しかし、没入感でいうと少し出鼻をくじかれた感じがありました。
こちらは、始まった瞬間から映画内世界に入る心づもりでいるわけですが、かなり長い設定説明のナレーション(呪術廻戦の津田さん)があってから「ここからは現代語で…」と注釈。
そんなこと言わなくてもいいのに、野暮だなぁ…とげんなりしました。
冒頭から物語に入ってほしい、必要なことは映像で示してほしい、と思うのはわがままでしょうか。
しかし、キャストは山﨑賢人さんをはじめ、役者さんが揃っていて、そこは全く悪くはなく、与えられた役を素晴らしくこなされていました。
村上虹郎の無駄遣いには少しムッとしましたが、帝役の板垣李光人さんなどとても麗しくて良かったです。この二人はもうちょっと出してほしかったな。
あと、残念だったのは、山﨑賢人はもっと美しく撮れたんじゃないか? ということです。
安倍晴明役ということで私が期待し過ぎたのかもしれませんが、わー綺麗!と思える表情が少なかったかもしれません。
なんなら『ゴールデンカムイ』の方が、汚いけれどカッコよく撮れていたような気さえします。
見てから2、3日経って印象に残っているのは「何かお花が咲いていたな〜」というもので、役者さんのいい表情が心に残っていません。
人物よりVFXの方が印象に残ってしまったのは残念でした。
そういうわけで、色々と言ってしまいましたが、実はすごく面白かったんですよね…。
見ているうちに「なんかおかしいな〜」と考えるのが楽しくなってきて、結果的に意外なほど満足度が高かったのです。
映画ってこんな楽しみ方もあるのだなという気づきがありました。
続編については、ストーリーがもっと面白ければシリーズ化もありだと思いますが、このクオリティだと少し難しいかもしれませんね。
ただ、すごい駄作に転ぶ可能性を秘めているので、興味本位で見てみたい気はします。
山﨑賢人さんには、これよりも『ゴールデンカムイ』の続きを演じてほしいというのが本音です。あれは本当に良かった…。
ほめてるのかけなしてるのか分からない感想になってしまいました!