タランティーノの趣味嗜好が特に色濃く出た作品に見えました。
壮絶なバイオレンス、そして日本作品へのオマージュ…というか流用?も多く、全部分かる人はいないだろうというほどのマニアックさです。
私もいい歳ですけど、子連れ狼などは子どものころに流行っていたのをうっすら覚えているくらい。タランティーノのおたくぶりには驚きます。
楽しそうで何より、私も楽しませていただきました。
↑ なんかこのビジュアルに惹かれなくて今まで見ていませんでした
↑ 1を見ないとこっちも見ませんよね…
目次
史上最強と言われた女エージェントのザ・ブライドは、結婚式当日にかつてのボス、ビルの襲撃を受け、夫や身ごもった子供まで殺されてしまう。4年後、昏睡状態から目覚めた彼女は、ビルへの復讐を決意する……。
2003年製作/113分/R15+/アメリカ
原題:Kill Bill: Vol. 1
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
劇場公開日:2003年10月25日「Vol.1」の直後から続く続編。結婚式をかつての暗殺団仲間に襲撃されたヒロイン、ザ・ブライドの復讐のターゲットは全部で5人。前作では2人を倒したが、本作では残る3人、ビルの弟バド、ビルの現在の恋人エル、そしてかつての恋人ビルへの復讐を遂行していく。前作ではタランティーノの日本製ヤクザ映画への愛が爆発したが、今回はマカロニ・ウエスタンと70年代のショウ・ブラザース製香港カンフー映画への愛が充溢。
2004年製作/136分/アメリカ
原題:Kill Bill: Vol. 2
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
劇場公開日:2004年4月24日
シンプルな復讐劇で、よく映画2本分にもなる長さにしたなぁ…と感心しました。たいして深い中身はないので、二作品合わせての感想にします。
(けなしているわけではなく、本当に元殺し屋の女が元ボスに復讐していくだけの話なのです。)
ユマ・サーマンみたいに美しくて身長が180センチもあったら、目立って殺し屋に向かないんじゃないかとも思いましたが、じつに迫力というか見ごたえがありました。
かなりハードなアクションがあり、ザ・ブライドは日本刀の使い手のため、首ははねるわ血しぶきは飛び散るわ…残酷極まりない描写が続きます。
タランティーノはこれがやりたかったんだろうな…フムフムと思いつつ見ていましたが、あまりに続いて麻痺してきたのか、ちょっと飽きました。やりすぎは禁物かもしれません。
ハリウッド映画が日本を扱うと、なんとなく安っぽさ、偽物感が出てしまいますが、悪くはなかったと思います。
ただ、2本続けて見ても面白く見ごたえもあったものの、物語的には物足りなさを感じました。
ビルとの子どもができたなら、正直に言って殺し屋家業とは関係ないところで子どもを育てたいって言ったら良かったのでは…なんて。
急に足を洗ったら、何か弊害があるに決まってますよね。別の男性と結婚するのだし。
ザ・ブライドなら頭も切れるし分かるはず。
そして、最後にビルと一対一で戦うのも、必要なのかどうなのか。
話は大切ではないようですが、やりたいことに目が行き過ぎて、ちょっと適当になっているように思いました。
しかしスカスカの話でも勢いで見せる手腕はさすがです。
好みの分かれる映画だとは思いますが、単純に面白いので、見てよかったとは思いました。
好きかどうかでいうと、うーん、いまひとつかな…深みがないので。
次はヘイトフル・エイトか、イングロリアス・バスターズを見てみようと思います。
今のところ一番はレザボア・ドッグスです。