『ナミビアの砂漠』映画感想文・河合優実の魅力!!でもどんより…

やはり河合優実さんの演技は素晴らしかったです。

大変そう…

あらすじ


21歳のカナにとって将来について考えるのはあまりにも退屈で、自分が人生に何を求めているのかさえわからない。何に対しても情熱を持てず、恋愛ですらただの暇つぶしに過ぎなかった。同棲している恋人ホンダは家賃を払ったり料理を作ったりして彼女を喜ばせようとするが、カナは自信家のクリエイター、ハヤシとの関係を深めていくうちに、ホンダの存在を重荷に感じるようになる。(『映画.com』より引用)

2024年製作/137分/PG12/日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2024年9月6日

感想(ネタバレ含む)

河合優実演じるカナが、二股から同棲相手を乗り換え、その辺りからどんどん情緒不安定になっていきます。

感情のコントロールができなくなり、暴言暴力が増えるにしたがって、こちらもだんだん気が滅入ってきて、何を見せられてるんだろう、少し長いな、と感じましたが、主人公カナのパワーで最後まで飽きずに見ることはできました。

娘くらいの年齢の彼女が双極性障害となり、個性ではなく病として自分の感情に向き合わなくてはならなくなったところが、見ていて辛かったです。

お母さんは何も知らずに中国で宴会?…いくらカナが21歳の成人といっても、もう少しお母さんがフォローしてあげればいいのにと思いました。そういうことができない親だからこそ、カナがこうなってしまったとも言えるでしょうが。

二股交際や、嘘も平気、誠実さと無縁な性格がおばさんから見るととても悲しいのです。

親の育て方による自信の水不足なんだろうなぁというのが、ありありと分かります。

暴言暴力で発散しているように見えても、本人はとても辛いものですし、一緒に暮らすハヤシも辛い。けっして幸せではないのです。

カウンセラーで治らないと思うし、きちんと受診・服薬するレベルだけど、それもしない。

20歳くらいの女の子だったら、お母さんに調子が悪いと訴えても良さそうですが、そんな考えも全くなさそうで、この映画における親の存在感のなさに驚きました。

親をアテにできないから、自分でなんとかするしかないという悲しさ。

本当に、子どもの心に自信の水を入れる子育てをしてあげないと、子どもも生きづらいし、人に迷惑をかけることもあるだろうし、一生苦しめることになると思いました。

カナはずっと砂漠のごとく渇いていて、水=愛情と承認を求め続けているのだけど、男性では埋められない心の渇きがあったのではないでしょうか。

自分の娘がもしこんな風になったら、すぐに家へ連れ帰って対処すると思いますが、そんな親子関係も望めない子どもたちが大勢いるのかもしれません。

若い人の精神疾患に至る過程を延々と見せられた感じがあり、どこにも楽しいところのない映画でしたが、河合優実だけは本当に素晴らしかったです。

私は『あんのこと』の方が好きかな。あれも親に恵まれない少女の役だったので、違う感じの役どころも見てみたいですね。

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