【U-NEXT】『ゴーン・ガール』(2014)映画感想文・おそるおそる見たけれど意外にも!?

これは大好き…。

後味が悪いという方もおられますが、私はスッキリ爽快でした。

この「本当に大切なものは…」のコピー、逆説的なのかしら?

あらすじ

「セブン」「ソーシャル・ネットワーク」の鬼才デビッド・フィンチャー監督が、ギリアン・フリンの全米ベストセラー小説を映画化。「アルゴ」のベン・アフレックを主演に、ロザムンド・パイク、ニール・パトリック・ハリスらが共演。幸福な夫婦生活を送っていたニックとエイミー。しかし、結婚5周年の記念日にエイミーが失踪し、自宅のキッチンから大量の血痕が発見される。警察はアリバイが不自然なニックに疑いをかけ捜査を進めるが、メディアが事件を取り上げたことで、ニックは全米から疑いの目を向けられることとなる。(『映画.com』より引用)

2014年製作/148分/R15+/アメリカ
原題または英題:Gone Girl
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:2014年12月12日

感想(ネタバレ含む)

実は私、ベン・アフレックが得意ではなく、この映画も始めから「やっぱり嫌いかも…」と思いながら見ていました。

特にニックとエイミーのなれそめ辺りの会話が気持ち悪すぎました。意図的でしょうが。

不気味なカップルだなぁと思っていたら、狂った方向へ進んでいったので、逆に安心したくらいです。

私はニックの評価が始めからとても低かったので、全体を通して同情、共感一切なしとサッパリしたものでした。

エイミーはどこからおかしくなったのかというと、失踪を企てたところからでしょうか。

その緻密さも異常でしたが、そこからニックのインタビューを見て、デジーを殺害し、まさか堂々と家に戻るとは思いませんでした。

エイミーは話の辻褄を合わせて芝居をし、ニックの周りは弁護士も警察も潮が引くように去っていき、双子の妹は泣き崩れ(この仲も奇妙)、愛人も早々に裏切り、彼は逃げ場を完全に失ってしまったのです。

考えてみれば、まともな人物がほとんどいないという映画でした。

エイミーに突発的なトラブルはあったものの、結果的に思うツボとなってしまったところが、さすが頭の切れる人は違うというか、無理矢理にでも自分が支配できるように周りをコントロールしてしまうところが興味深かったです。

特に失踪先でも常にテレビを気にしていて、最後のインタビューで自分の思い通りのニックを見た時の食いつき方がとても面白かったです。完全にゲームのように楽しんでいましたね。

夫に罪を着せて死刑にしてやろうというところから、家に戻って彼の子どもを産もうと決めるまでの振り幅が極端すぎておかしいです。

これはどう考えればいいのか…夫が愛人と別れて、自分に気持ちが戻ったというふうに「信じたいように信じた」ということでしょうか。

相手の本心がどうであろうと押し通すところにサイコパスみがあふれていて、とても良かったです。

とにかく、ベン・アフレックが浮気をして調子に乗っているところから転落していくのが、とても楽しく、ラストも逆転することなく、完全に妻の支配下に置かれて終結したのが爽快でした。

女性は怖いという見方もありますが、頭が良く美人で、自分より有名なトロフィーワイフを得たところからしても、ニックも打算的な人間で、どっちもどっちという気がします。夫婦ってお互い様ですよね。

デビッド・フィンチャーの映画はやはり面白いです。

未見のものが結構あるので、今後見ていこうかと思います。