『ラストマイル』映画感想文・消費者側としては少しモヤっと

物語としては面白かったです。物流業界の巨大化、配送業務における労働状況や賃金の問題をふまえながら、連続爆破犯人を探し求める、という内容でした。

ただ、共感できる登場人物があまりいなかったのはちょっと残念でした。

まあ豪華!!

あらすじ

流通業界最大のイベントである11月のブラックフライデー前夜、世界規模のショッピングサイトの関東センターから配送された段ボール箱が爆発する事件が発生し、やがて日本中を恐怖に陥れる連続爆破事件へと発展する。関東センター長に着任したばかりの舟渡エレナは、チームマネージャーの梨本孔とともに事態の収拾にあたるが……。

感想(ネタバレ含む)

とにかく、アンナチュラルやMIU404のキャストも出ていて豪華過ぎるところが、すごく得をした感じです。

主役級の方々がたくさんスクリーンで見られて、その点は良かったです。

ただ、最初に書いたように、共感できる人が少なかった。

舟渡エレナ(満島ひかり)は、非常に頭の切れる敏腕センター長なのですが、物流のラインを止めない方針。

爆発物が発送されたのに止めないってドン引きです。まずそこがあり得ない。

そしてバディを組む梨本孔(岡田将生)にしても、正義感がさほど強くもなく、上司エレナの言いなりであり、少し残念。

そこで私の気持ちが少し離れてしまい、10分〜15分くらい寝てしまいました。

少し驚いたのは、エレナの発言で「誰が死んでも正直どうでもいい。そんなことを言ったら毎日どこかで何人も死んでいるだし…」というもの。

かなり怖い思考の人だとゾッとしました。

観客はほとんどがネット通販を利用している消費者側です。そこへ向けてこの発言はいかがなものかとモヤモヤしました。

実際にこんなことを言う会社だったら、もう買い物したくないですね。

そんな中で、唯一共感できたのは火野正平演じる佐野昭。

真摯に自分の仕事に向き合い、誇りがあり、息子に愛情をもって導いていきます。

利益追求ばかり考える登場人物たちの中で、ひときわ輝く存在でした。

全体を眺めて、まともな道徳心を持って働いている人って、あまりいないのかな? と少し不安になる内容でした。

犯人に関しては言わずもがなで、いくら理由があったとはいえ、無差別大量殺人鬼ですから本っ当にとんでもない罪深さです。

サイコパスならまだしも、恋人がどうとかの理由って、巻き込み型のヤケクソじゃないですか。

無関係な人を傷つけるような復讐方法は非常によろしくないと思いました。

例のごとく公開後すぐはSNSでベタ褒めされていて、本当にそう思っている人とは別に、いいねほしさで書いている人もいるのだろうな、と不気味さを感じます。

私はまぁ忖度もないし正直なので「普通に面白かったけど、主人公たちに共感は難しかった」と言っておきます。

そして、前から気をつけてはいましたが、その辺で買えるものを何でもかんでも通販で買うのは控えようと思いました。

近くの商店を利用した方が少しでも貢献できますしね。

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